映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】パニック・マーケット(2012)

2012年。

サメ映画

 

スーパーマーケットに津波が押し寄せて水没。

そこに3mのホオジロザメがやってくる。という感じです。

 

ミストのスーパーマーケット+強盗+サメという感じの舞台設定は最初は面白いと思いました。

ただ、思ったより普通でした。

もっと面白くできたのでは?と思う一方で、スーパーマーケットという舞台設定の限界を感じました。

 

地下も出てきます。水没したらアウトっぽいんですが、水没していない空気のある謎の空間があって地下にいる人たちはそこに避難して助かります。

 

電線がブチ切れて今にも水に触れそう。水に触れたら感電死するという設定もイマイチ緊迫感がありません。

いい強盗と悪い強盗が居て、結局ああなるというのも予測済み。

最後は警備のために置いてあるテーザー銃でサメ撃破。

サメにモブは何人か食われましたけどメインの人たちは助かって万々歳という普通のB級サメ映画でした。

 

津波の犠牲になり冒頭で人間の死体(サメの餌)が大量にあるのに、サメがなぜ生き残りを執拗に狙うのかもよくわかりませんでした。生きが良いのがいいんですかね。

 

出演している俳優の顔面偏差値は一部を除き割と高め(ヒロインがブサイクに見えた)。CGはそれなりにうまくやっている方だと思います。津波のシーンに甘さを感じましたが。

【映画感想】マチルダ(1996)

1996年。

親兄弟から虐待を受ける6歳の天才少女が主人公です。

舞台は学校に移り、虐待大好き校長先生(ミザリーの人をを更にガチムチにしたようなおばはん)をやっつけろ!みたいな感じです。

 

なんとなくキッズ・ウォーを思い出しました。

今の時代では完全にアウトな映画です。

登場人物の数々の虐待、暴言に思わず頭がクラクラしてしまいました。

普通に不快です。

虐待部分はコメディーなノリでオブラートに包まれていますが、暴言部分は普通に酷く、子供に豚だのクソだのPTAが黙っちゃいない内容になっています。

 

最後におばちゃん校長がやられますが、「それもまたいじめ」な図で悪がやっつけられているシーンにも関わらず胸糞悪かったです。

 

主人公が天才少女設定と超能力少女設定を兼ね備えていてチート感があり超能力が出てきたあたりから本格的に萎えてしまいました。

 

これならまだホームアローンのほうがすっきりします。

両親改心することなく、お気に入りの先生の養子になるというのも、はぁ~という感じです。まぁ、あの両親が改心するというのはありえませんけど。

 

太った子供に無理やりチョコレートケーキを食わして、ギブアップしそうになるとクラスメートたちが松岡修造的なノリでやればできる!と応援し、太っちょ子供が本気を出して全部たいらげてUSA!USA!になるというのもなんかそこ違うでしょみたいなズレを感じました。

 

最初は設定をわかりやすく説明して面白そうな感じがした子供映画でしたが、だんだん微妙になっていき、見ていて不快なシーンばかりだったので、微妙評価です。

 

【映画感想】サマーウォーズ(2009)

2009年。

細田守監督。

 

インターネットの電脳世界でAIが邪悪になり、アカウントを奪っていき世界を滅ぼそうとします。それを食い止める一家の物語・・・そんな感じです。

 

レディ・プレイヤー1みたいな感じの世界観(こっちのほうが先ですが)。当時はそれなりにセンセーショナルな設定だったんだろうなぁと思いましたが今の類似作品を知っているとそこまでの驚きはありません。

とはいえ、設定は結構詰め込んである感は感じます。

 

ストーリーは電脳世界地球防衛軍的な感じ。主人公一本槍で周囲の助力を得て解決する感じではなく、劇中に出てくる人それぞれに活躍の場があってみんなで解決していくという感じです。

 

感想ですが、なんかいまいち乗れませんでした。レビューサイトでは恐るべき高評価でしたが正直そこまでか?と思っちゃいました。

演出も自分の感覚とはそりが合わず、なんか見ててこっ恥ずかしいものばかりでセンスは感じられませんでした。すいません。

【映画感想】未来世紀ブラジル(1985)

1985年。

ジョナサン・プライス

 

80年代に作られたSF映画。初見。

見た感じセットの感じはなんとなくトータル・リコールぽいなと思いました。

 

偶然の出来事から主人公の人生がカオスになっていく様子が描かれます。

全体的になんか変な夢でも見ているような感じで終盤は更に加速していきなんとも言えないエンディングを迎えます。

 

若返り手術で見るたびに顔が変わっていく母親、警察のような機関の無茶振り、癖のある赤い服の修理屋二人組、テロリストのリーダー・ロバート・デ・ニーロ、やたらダクトの多い室内、極太ホースの掃除機、SFなのに紙でやり取りするアナログ情報伝達システム、夢の中では羽根(+豊富な髪の毛)を生やして空を飛び回る神話の英雄になって、鎧武者みたいな敵と戦ったりといろいろ狂っています。

なので監督の個性をビシビシ伝わってきてこちらの頭もおかしくなりそうです。

 

大筋は主人公が一目惚れした女をただただ追っかけるだけな気もしますが、最後に洗脳がどうとか言っていたので最初から最後まで主人公が見ていた夢なのか、途中監禁されるところまでが現実でそこから洗脳なのか?とかいまいちよくわかりません。

一回観ただけじゃ全部をすくい切れない感があり若干消化不良気味です。

 

ただ、”なんかすごいものを観た”感はあり、感性を揺さぶられる感じはしました。

【映画感想】キング・オブ・コメディ(1983)

1983年。

ロバート・デ・ニーロ主演。

 

テレビショーのコメディアンを目指すめちゃくちゃ行動力のある男の物語です。

 

頭がぶっ飛んでて有名コメディアンにリア凸して暗に断られてもぐいぐい彼の所属事務所にテープを持ち込みます。

共感性がないというか空気読めないのかお払い箱扱いされている事にも気づかずに何度も事務所を訪れて出禁に。

 

それから彼はやっちゃいけないことにまで手を出してしまう・・・という感じです。

 

序盤がどこまで妄想なのか現実なのかよくわからない感じ(でも妄想だというのはわかる)でやばい感じを描き、中盤ではっきりと有名コメディアン本人から強烈な拒絶を食らい、後半で共犯の女とつるみ誘拐事件を起こすという流れになるわけですが、そこからの展開はなんとなく読めちゃいました。

 

コメディアン狙いの犯罪ということでジョーカー(2019)を思い出しました。ジョーカーといえばコメディアン役でデ・ニーロが出演していましたが、ああ、そういうことかとこの映画を見てジョーカーのキャスティングに納得感が追加されました。

 

ジョーカーとは展開が逆で妙にハッピーエンドなのも興味深いところです。

 

1クールのレギュラーより1回の伝説という芸人が日本にいますが、この映画の芸人志望は全人生をかけて夢を掴んだという意味で彼の上位互換と言えるかもしれません。また炎上系の迷惑Youtuber的でもあり、昔の映画なのに謎の”最近感”を感じ不思議な気持ちになりました。

【映画感想】ブレックファスト・クラブ(1985)

1985年。

 

何かをやらかして土曜日に登校を命じられた生徒たちと威圧的な教師とのやり取りなんかを描いた密室劇です。ずっと一室で5人が喋っています。

当時としては珍しい感じなんじゃないかと思いました。

 

物語の大半が学校の図書室で展開していきます。セリフの大部分は生徒同士の会話。

前半はコメディより、後半からシリアスも混じってきます。

 

 

個人的には割と面白かったのですが、退屈と感じる人も少なくないかなと正直思った構成でした。

 

ガリ勉、チンピラ、スポーツの天才、不思議ちゃん、お姫様と学校内で属しているグループが異なる5人組が織りなす化学反応が割と面白かったです。

 

月曜日になったら属しているグループの建前上、無視したり、合わせるために悪口を言うようになる、と言い出すシーンが印象的でした。

 

 

【映画感想】 ローマンという名の男 -信念の行方- (2017)

2017年。

デンゼル・ワシントンコリン・ファレル他。

 

地味ですが先の読めない展開で割と面白いです。

主人公は弁護士。ですが法廷ものというわけではありません。バリバリ裁判やってるシーンもありません。

基本的にうだつが上がらない系で冴えません。冴えないアフロにでっかい眼鏡、金八先生が着ているようなダサいジャケットというスタイル。

ちなみにサヴァン症候群でめちゃくちゃ記憶力は良いです。

 

貧しい人からもお金を取らないで親身になって弁護する系かと最初は思いました。

しかしそれは彼の師匠的な人の話です。いや、最初は彼も師匠と同じ信念を持っていました。

序盤でその師匠が入院して退場。事務所を畳むことになります。

そこにコリン・ファレル演じる大手弁護士事務所の社長がやってきます。そこで主人公の才能を見抜き、引き抜こうとしますが断ります。

 

働き口に困る主人公。

ボランティアで困っている人の法律相談をしているようなところに行きます。

そこで運営者の女性に惚れます。しかしそこはボランティアなのでお金は出ません。

 

困った主人公は結局コリン・ファレル社長の会社で働くことに。

ここがまず意外でした。

信念の強い主人公がそのボランティア的な所で働いて天使にラブソングをみたいに立て直して最終的にコリン・ファレル社と法廷で争う的なそんなしょーもない展開が頭に思い浮かんでいたもので。

 

それから主人公は刑事裁判で捕まった少年から聞き出した情報を警察に匿名でタレコミ、懸賞金をゲットするという重大な守秘義務違反(違法)をしてしまいます。

 

それからというものの、元々彼が持っていた信念(法律で荒稼ぎしない)をさっぱり捨て去り、現在の上司の信念に従い、拝金主義者となります。

ここも意外でした。

え?こういう展開?と思いました。

 

しかし悪いことはバレるもので、偶然弁護することになった相手が自分が売った男という事態に。

すでにバレてて、下っ端にお前を殺すと脅され狼狽。気になって手がつかなくなります。

 

さて最終的に主人公はどうなってしまうのか?という流れです。

 

キャストに関してはデンゼル・ワシントンがとってもかっこ悪い役を演じています。お金に目がくらんで信念が崩れ去ってしまう見た目も冴えないかっこ悪いおっさんです。

 

でも人間楽な方に流される生き物だと思いますし、守秘義務違反は法律違反なので普通はやらないにしても、信念を曲げて拝金主義者になってしまうということは割とありえることなんじゃないかと思いました。

 

主人公は信念が簡単に曲がっちゃうそんな弱い人間の一人で、そんな弱い人間を描いています。

 

でもよくよく考えるとこういう主人公は今まで観た映画の中でもそれなりにいたように思います(闇落ちするヒーローものの主人公とか)。

 

この映画の主人公が意外だったのは、絶対曲がらない信念を持ってそうな正義の弁護士がこんなになっちゃう映画は観たことがなかったからだと思います。

ただサヴァン症候群だという設定があんまり活かせていなかった気がします。主人公はちょっと風変わりですが普通に生活遅れるレベルですし(サヴァンに対して私が無知というのは置いておいて)。

 

主人公の言い訳的なよくわからない論理はアレですが、自分なりの方法でケリをつける方向性で行動したのはまぁ良かったんじゃないかと思います。

 

脇役ではコリン・ファレルの役柄が割と良かったです。拝金主義というのも法律の範囲内なのでまぁ問題ないですし、お金があるためか精神的に余裕があり、モラルもあり、まともです。しかも意外とやさしく、いいヤツで主人公のことを気にかけています。

 

コリン・ファレル自身も顔にいい感じにシワが入り、貫禄が出ててよし。

 

ただ全体的に地味な映画ではありました。

お金の余裕が心の余裕、悪いことをすると償うまでそれがついてまわるし、心を蝕む。

そんなことを思った映画です。