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基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち

ドラゴンボール劇場版。敵はメタルクウラ。

 

前作『とびっきりの最強対最強』が一番好きな劇場版なんですけど、このメタルクウラ編はドラゴンボールの原作、劇場版、テレビオリジナルストーリー全部含めてもかなり異色な作品です。

 

まず切り口が新しいです。

これまでドラゴンボールの中にはいくつもの絶望的な展開がありました。TVアニメ無印時代のピッコロ大魔王戦からはじまり、サイヤ人襲来編の序章を飾る悟空の兄ラディッツ戦、ナッパ、リクーム、フリーザなどいくつも絶望的な展開がありました。

それは個のパワーにでした。

個としてのナッパやフリーザなどの圧倒的なパワーにより絶望感を表現していたわけです。

 

しかし今作は個の強さではなく数の暴力によって絶望感を与えているところが新しい。

原作での正確な時期はわかりませんがこの映画の時点では少なくとも悟空やベジータ超サイヤ人になっており、悟飯はまだなっていないという状況です。ピッコロは神と同化しているかはわかりませんが、強さを見る限り同化していてもおかしくない強さになっています。

 

最初に雑魚の大量のマシン兵が出てきます。最初は苦戦するもコツを掴んだのか次々と悟飯、クリリン、ピッコロの三人で撃破していきます。

劇場版クリリンの「なんで俺だけ・・・」はこの作品から定番化したように思えます。

 

そして真打ち登場とばかりにメタルクウラが出てくるのです。

相手は悟空です。悟空は超サイヤ人になって応戦するも返り討ちにあってしまい、そこにベジータ登場。二人で闘うという展開になります。

 

どういうわけかこのメタルクウラは最終セル、最終ブウのように瞬間移動が使えます。そのため瞬間移動中の攻防という新機軸のアクションが展開されています。これは原作にもない要素なので何気にここもすごいです。

 

瞬間移動が使える上にメタルクウラはピッコロやセルのような自己再生能力があります。しかもサイヤ人のように以前より強くなるというおまけつきです。

 

そんなメタルクウラを超サイヤ人の二人でやっと倒して万々歳と思いきや、崖の上にそのメタルクウラがいっぱい出てくるという数の絶望が待っています。

 

一匹一匹今しがたやっと倒したメタルクウラと同等の強さを持っていると推測されもう絶望です。

数で絶望を与えたのはこの作品くらいのものではないでしょうか。

 

その後悟空とベジータは捕獲され超サイヤ人のエネルギーを吸い取られてしまいます。しかし、エネルギー過剰でオーバーヒートを起こし結果的に自分たちの首を締め、悟空とベジータにしてやられる(クウラ側の視点)なんですけど、普通にあの大量のメタルクウラでトドメをさしていれば悟空とベジータはなすすべありませんでした。

 

そう考えるとかなり強力かつ凶悪な敵役と言えるでしょう。

 

ラスボスをやっと倒したとおもったらそのラスボスが奥から100体くらい出てくるという切り口の絶望感を悟空たちにも子どもたちにも与えたメタルクウラは一見の価値ありと言えるでしょう。