映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】es[エス](2002)

日本で2002年に公開されたドイツ映画。

 

スタンフォード監獄実験をもとにした映画。

囚人役と看守役に分かれて実験していく内に看守が看守らしく振る舞うようになり異常になっていくという話です。自分が自分の首を絞めるようにマインドコントロールされていく過程を描いています。

 

狂人に変わるきっかけが自分のコンプレックスを指摘されたことがきっかけ(ワキガ)だった人が人一倍歪んだ正義に取り憑かれていました。

 

始まりと終わりを見れば明らかな異常に見える行為がその環境に慣れたり少しずつ積み上げられていくことでそれが異常に見えなくなる怖さを感じました。

 

弱かった人間が権威を手にして急に強がるようになる過程を見てこんなもんなのだろうなと思いました。パワハラやセクハラはどこの会社でもあると思いますが、現実にそれをエスカレートしたらこんな状況になるんだなという説得力がありました。

 

看守たちがエスカレートして77番に小便をかけるシーン、黒い箱に閉じ込めるシーン、エルビスプレスリーかぶれが女教授をレイプ未遂するシーンなどが印象に残りました。

 

残虐な描写が多く胸糞が悪くなりました。しかし非常に興味深いテーマでした。