2000年の映画。
因習に支配された村をチョコレートが変える物語です。
辺境の地にチョコレート職人と娘が引っ越してきます。
チョコレートの魔力に村人が次々とノックアウトされていきます。
そして最後には真っ向から敵対していた伯爵まで落ちてしまいます。
前半は悩める村人をチョコレートショップが癒やしていき、ファンを獲得していきます。
でも因習ではチョコレートはタブーで食べたら懺悔するレベル。
だからチョコレートの虜になってしまった人たちは懺悔します。
伯爵がラスト錯乱してチョコレートでできたオブジェクトをナイフでぎったんぎったんにしている最中にうっかり口の中に入ったチョコレートの美味に取り憑かれて食べまくるシーンが印象に残りました。
村の因習や秩序を厳格に守ろうとする側を正と捉えると悪魔の手に落ちたような描写に見えてくるのが面白いです。この見方からすると主人公は悪魔の手先です。
しかしチョコレートを食べてみんな幸せならそれでいいじゃないですかともともこもないことを叫びたい。
主人公が聖人じゃなくて人間臭いのがいいです。ジョニーと寝たり火災現場に娘がいると勘違いして取り乱したり。
この村で粘りますが、結局村を出るという決意を固めます。娘を強引に連れ出そうとしたりヒステリックになったりします。
村のみんなを励ます一方でそういう隙きもある魅力的なキャラだと思いました。
ジョニーデップはかっこよかったけど、別にいなくても良かった役だったかもと思ってしまいます。
アルマンド婆さんをはじめとして脇役もキャラが立っていて個性がありました。
正直村全体に漂う閉鎖的な雰囲気や宗教性の高いテーマはあまり好きではありませんが、キャラクターがよかったので最後まで見れてしまいました。
チョコレート映画として有名な作品ですが、いい映画です。