2001年のフランス映画。
オドレイ・トトゥ主演。
妄想の世界でしあわせに生きるアメリが他人を助ける過程を経て自分が現実世界でしあわせになるまでを描く物語です。
要するに喪女がイケメン彼氏をゲットしてしあわせになる物語です。
吹替版を見ましたがアニメ版カイジのようなナレーションが印象的でした。全編通して比較的コメディ調で、妄想好きのアメリの空想と現実が入り乱れる(写真が喋りだしたりする)演出が面白いです。
妙に印象に残ったのは以下。
スクラッチを削ってる中年の男性客とアメリのバイト先のおばさん店長のやりとりのシーン。
男性客はおばさんに「そんな顔を赤らめて・・・野の花のようだ」みたいな昭和の口説き文句を絞り出しますが、「アレルギーなの」と返されてしまい(俺の勘違いかよ、かっこわりぃ~)とトイレに逃げ込んでしまいます。
しかし、おばさんも内心は乙女になっていて、誘いに乗りたいものの周りの目が気になってとっさに出た回避文句がさっきの「アレルギーなの・・・」で内心はときめいてるし胸元にそっと触れられてムラムラしているわけです。まぁ本当に湿疹持ちなんですが。
内心はそんななのにそっけない態度を取らざるを得ない状況なのでイライラもしているわけです。
その後アメリがわざとコーヒーをぶちまけます。トイレに誘導するために。おばさんはただでさえ悶々としているところにアメリの粗相で服がコーヒーまみれになり怒りが爆発してトイレに直行。
結果的にトイレで鉢合わせし、密室で二人きりになり周りの目をシャットアウトした瞬間にお互いの 理性が解き放たれて獣のようにおっぱじめるんですが、このシーンのおばさん店長の外まで響き渡るやかんのような喘ぎ声が忘れられません。
おそらく長らくご無沙汰だったものと思われます。
アメリはこうしておばさんとおじさんをしあわせにしました。
と思いきやこのおじさんがとんでもない束縛監視男でそのしあわせは一時です。
全編通してアメリをサポートすることになるおじいさんの最後のメッセージが良かったです。長い人生、勇気を出す時が誰にも一度は来るんじゃないかと思います。その時に勇気を出さないと一生後悔することになる、そしてそんな後悔を抱えて生きる人もいるんじゃないでしょうか。おじいさんのメッセージはそうならないための叱咤激励で胸に刻んでおくことにしました。想像を現実にするためにも。
細かい伏線がいっぱいありそうな映画で一度観ただけですべてを知るのは難しい予感がします。細かいとこは。
15組の絶頂の瞬間が映像で流れたり、トイレでおっぱじめる中年カップル等のシーンがあるため家族で見るのは厳しいかと。逆にカップルで見るなら潤滑剤にもなりうる可能性を秘めています。
20年前に日本でも話題になった映画なのでタイトルは知っていましたが内容は知りませんでした。なぜか自分の中ではこの映画とショコラがごっちゃになっていて、アメリがチョコレート職人なイメージがありましたが、全然違いました。