映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】マッドマックス(1979)

1979年。

メル・ギブソン主演のバイオレンス映画。

よく北斗の拳の世界観と比べられる?作品。

 

 

物語の舞台はヒャッハーな暴走連中が蔓延る世界。警察もいますがいいようにやられてしまっています。

そんな中、主人公の親友が暴走族の餌食となり命を落とします。ショックを受けた主人公は妻と子供を連れて休暇にでかけます。しかしそこにも魔の手が。すったもんだあり結局妻と娘は再起不能に。復讐の鬼と化した主人公は改造パトカーV8を使って犯人を次々となぎ倒していくという物語です。

 

 

感想としては結構面白かったです。まず描写がえげつないです。殺し、略奪、レイプなどが日常茶飯事の世界で目をつけられたらもう最後、自分の身に置き換えるとかなりゾッとします。敵はもう人間の皮をかぶった獣だしそういうのが群れをなして襲ってくるので捕まったらもう絶望以外の何者でもなく視聴の際の没入度は高かったです。

 

復讐で警察の人を焼き殺したり、撃ち殺したり、レイプしたりというのは他映画でありますが、物語の途中で妻と子供が容赦なしに轢き殺されるという映画はそんなにない気がします。あるかもしれませんが、そういう映画はどこか現実離れしていると感じてしまうんですけど、なぜかこの映画は悪党の残虐性を更にアップさせ「こいつらまじで容赦ねーな」という悪党側への恐怖だけ増し、現実離れ度は増しませんでした。

 

主人公側もとことん復讐するのでカタルシスはあります。復讐を果たしたあとの虚無感よりも爽快感のほうが強い映画でもありました。これは基本的に敵側が悪魔すぎる悪魔として描かれていたからだと思います。その例から少し外れるキャラが最後に主人公に復讐されることになるジョニーです。ジョニーはそんなに悪いやつに描かれていません。主人公の親友のグースも親分に殺せと脅されましたが俺にはできない!と結構粘っていました。ただうっかり火を落としてしまい結果的に殺してしまいました。

 

主人公は最後ジョニーに選択の余地なしに殺したわけじゃありません。爆死で死ぬか、自分の足を切断して生き残るかいずれか選べという選択をさせました(足切って出血多量で死ぬとかは話がややこしくなるので考えないことにします)。結果的にパニクり死んでしまいますが、もしここで選択させずに問答無用で殺していたら鑑賞後の爽快感は薄れていたんじゃないかと思いました。平等感が希薄になるためです。

 

感想としては古い映画ですが思いの外ダイレクトに心にくる映画で少し驚きました。これがマッドマックスなんですね。