2017年。
黒人系。大坂なおみさんに燃料を注ぐような内容の映画です。
映画の内容は二転三転するというわけじゃなく、アルジェ・モーテル事件をガッツリ描いています。
アルジェモーテル内で警官たちが黒人たちと白人女二人に拷問するシーンは緊迫感がすごかった。誰が銃撃した（銃撃というかちょっと警官たちを脅かしてやろうくらいの軽い気持ちだったんですが）のかを拷問まがいの問い詰めで詰め寄るのです。暴力もありです。言わなかったから銃殺したと嘘も交えて犯人をあぶり出そうとします。
しかしこの中には犯人がいないことがわかっている視聴側の私としては「どないすりゃええねん？」と憤りがすごかったです。
冒頭で逃げる黒人を銃殺したむかつく顔した警官（ウィル・ポールター）が窓越しに背中を撃って殺しちゃってるわけですから。
そんな中殺すふりをしろという意図でウィル・ポールターが部下に命令するんですが本当にぶっ殺してしまったりととんでも展開になったりします。
前半はそういうことが起き、後半は裁判がメインになります。
そして警官は正当防衛で無罪になりその場にいた警備員があまりの胸糞判決に外で吐いてしまうという描写が印象的でした。
かくいう私も？？？でした。この後奇跡の大逆転みたいな感じもしなさそうですし。どうやってこの映画にオチつけんねん？と思いました。
ラストはバンドのボーカルの黒人が教会で賛美歌を歌います。
そして最後に事件の当事者たちの後日談が紹介され、彼はショービジネスの世界を捨て今もデトロイトに住み、教会で賛美歌を歌い続けているというエピローグを見た時に何故か救われたような気がしました。
裁判の判決はクソだったけど、それを見て謎の爽快感（正確には爽快感じゃなさそうですが）を感じました。
なので鑑賞後の気持ちは意外と湿っぽくなかったです。
見応えある映画でした。
