2011年。
ロジャー・コーマンという方をテーマにしたドキュメンタリー映画です。
こういう方がいたとは知りませんでした。
B級映画の帝王と呼ばれているそうです(2020/09/12現在ご存命)。
自費制作、低予算、ちゃっちゃと撮影、今作の売上で次作を作る・・・というスタイルでのし上がった映画監督、プロデューサーだそうです。
昔は有名だった方だそうです。
人件費節約のために「使い捨てる」ために大学生とか若者をこぞって映画出演させていたみたいですが、結果的にそれが彼らにとっての映画人としてのキャリアの第一歩となります。その中にはジャック・ニコルソンやロバートデニーロなんかもいたりします。
俳優だけでなく、タクシードライバーで有名なマーティン・スコセッシのような監督も彼は発掘しました。
彼は映画を作ることだけで頭がいっぱいで次世代を担う人の育成とかには興味がなかったっぽいですが結果的に彼は多くの才能を世に輩出したそうです。
そんな彼を見ていて私は小室ファミリーを思い出しました。
一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いでめちゃめちゃ勢力を拡大して売れに売れまくった。
しかし、宇多田ヒカルの登場により時代は終わります。世代交代。
彼(コーマン)にとっての宇多田ヒカル的存在がスターウォーズやジョーズだったりします。今まで自費制作で20年やってきたとこに企業が参入。莫大な制作費で大作を作り出し新しい映画の時代がやってきます。
そして小室さん同様コーマンさんも過去の人となってしまいました。
いつまでも一人のカリスマ的人物が何十年に渡って一つの業界に君臨するということは難しいでしょう。俳優とかはまだ大丈夫かもしれませんが、お金の損得がすべてな業界では常に結果を出していないとずっと第一線にはいられないでしょうし、常に時代の変化を察知して過去の自身のスタイルに囚われず臨機応変にスタイルを変化し続けるなんて芸当ができる人間はかなり稀だと思います。それに自分一人の一存でどうにかなる業界でもありませんし。
ロジャー・コーマンという知らない大御所の人のドキュメンタリーでしたが、こういうスタイルでやり続けていた人もいたんだなぁとためになりました。
彼の作品はほぼすべて利益を出していましたが、たった一作品だけ利益が出ていなかった作品があってそれを身近な人が利益はなかったけど彼の最高傑作だと言っていたのが印象的でした。なんていう映画は忘れましたけど。