2017年。
山崎賢人主演の日本映画。
一昔前は壁ドンのイケメン、最近ではキャラクターもののイメージの山崎賢人ですが今作では自身の年齢に近い等身大の役柄を演じています。
彼がジョジョでオラついている演技をしていて馬子にも衣装感が半端なかったんですが、今作ではおとなしめの半熟調律師役ということで中の人と役のミスマッチはなくむしろはまり役だったように思います。
ストーリーは特に夢も目標もなく進路も何にしようかなぁという感じの主人公が凄腕の調律師と偶然出会い、これだと思い調律師の道に進むことを決意。調律師専門学校で2年学び、調律の会社に就職。
劇中ではクライアントの人たちとの交流やトラブルなどが発生しつつもそれを乗り越え、お互いに成長していく姿を描いています。
感想は意外と良かったです。幻想的でゆったりしている雰囲気の中に音楽が溶け込んでいるような不思議な映画です。
森がテーマの一つのためか森林描写が多く森にハイキングに少し行きたくなりました。
山崎の切羽詰まってる時の演技は病的に見えやや過剰に感じましたがそれ以外は違和感なく等身大の青年を好演していたと思います。
変態仮面で知名度を上げた鈴木亮平も先輩の落ち着きや懐の広さ、余裕を感じさせる演技で調律師としてのたしかな経験を感じ取ることができました。”若気”な一面も時に見せ熱くなることも。
光石研の過去に挫折を味わっているリアリストの乾いた演技にはちょっとイラッとしましたがそんな人に最後に褒められるというのが主人公の成長をわかりやすく表現する形にもなっているし、最後に案外良いやつじゃんと思わせる光石さんはベテランバイプレーヤーとしての実績に偽りなしといったところです。
そして三浦友和。画面にいるだけでその場が引き締まるというか安定します。
今や人気者の上白石姉妹も出演。メインエピソードにがっつり絡んできます。
でも個人的には両親を失って引きこもりになっている人の放置されたピアノを調律して子犬のワルツを弾くエピソードが個人的には一番心にきました。
何の気なしに見てみましたが意外とよかった静の映画です。