2015年。
偏屈じいさんと近所の人々との交流を描く一作。
現実世界と過去の妻と出会い、過ごした回想が交互に描写されていきます。
街のパトロールをしている頑固じいさん。人々から煙たがられているものの、昔からいる人なので気心の知れた仲な人もいる。
ルールに厳しく違反するものはバカども呼ばわり。
そして毎日自殺しようとしている。
半年前に癌で亡くなった妻の後を追うために。
こう書くと不幸な感じなのかなと思われるかもしれません。
実際に首吊、ガス、猟銃などで自殺未遂するも失敗。この失敗する様子をコミカルに描いています。
単なる最初のシュレック系じじいというわけではなく、頼まれたらなんだかんだで力になってくれるという優しさを見せることも。ここらへんは結婚できない男の桑野さんをイメージしていただけるとよいかと。
新しく越してきた隣人(妊娠してるイラン女性)に対しても最初はツンケンしていましたが、交流を経て段々デレてきてます。
もう最後の方はお互いに支え合ってます(口の悪さは相変わらずですが・・・)。
他にもゲイの人をなんやかんやで泊めてあげたり、猫を引き取ったり。口も悪くて排他的なはずなんですが一部の人には理解されているキャラというのが面白かったです。
自殺未遂のバリエーションもリズムになっています。
過去の回想シーンの挿入もまたリズムなので構成はテンポよく思えました。
主人公の魅力とストーリーの面白さでずいずい引き込まれて後半いろいろなバックグラウンドが明らかになっていき、理解者も増えてきたあたりでなんだか泣けてきました。
イラン人女性の赤ちゃんを抱っこする主人公が印象的です。いろいろあって抱くことの出来なかった赤ちゃん。
そして教師だった妻の教え子たちもまた彼女のことを覚えていました。
そしてラスト。
ずっと自殺して妻のもとに行こうとしていた主人公がまっとうな死に方でしかも交流のあった人々に葬式までしてもらって逝くというクライマックス。
そして近所の人々は亡き主人公の意思を受け継いで街を守っていく?というラスト。
見終わったあとに清々しい気持ちになりました。
ただ、タイトルの幸せなひとりぼっちってのはそれっぽいようで的を射ていないような・・・
結婚できない男っぽかったので個人的にはかなり楽しめました。
変な人が好きな人、ぼっちな人とかにオススメ。