映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】硫黄島からの手紙(2006)

2006年。

クリント・イーストウッド監督、渡辺謙二宮和也他。

 

当時話題になった戦争映画です。

 

冒頭は硫黄島で戦争が始まる様子が描かれ、3分の1を過ぎたあたりからいよいよ戦争が始まります。

 

正直序盤はやや退屈。登場人物のバックグラウンド紹介なのでしょうがないですが。

戦争が始まってからは緊迫感が徐々に高まっていきます。手が吹っ飛んだりする描写が起爆剤となり緊迫感は高レベルに維持されていきます。

 

天皇万歳!→手榴弾で自爆していく今まで話していた同僚たち。いとも簡単に肉の塊になっていきます。

小隊の中で二宮と加瀬亮だけが死にきれません。

一方で伊原剛志の部隊が捕虜を捕獲。彼を一人の人間として扱う伊原はいい人です。

捕虜は翌朝亡くなりますが彼の母からの手紙を見て日本人たちも思うところがあります。

 

その後加瀬亮は投降するも。見張りの気まぐれで撃たれて死亡。

見張りは悪い人でした。

ちなみにラストでいい人(普通の人?)に当たった二宮は捕虜として生き残ります。

 

自軍にも言いつけを守らなかった部下を容赦なく射殺するやつもいるし、捕虜としてちゃんと扱う敵軍の人もいるのです。

 

エピソードでは加瀬亮がクビになった回想が印象に残りました。犬がうるさい、殺せと命じられた加瀬亮が空に発泡して上官に犬を殺したと報告するも、犬が鳴いちゃって上官直々に犬を射殺するという描写です。ほんとこの上官は何様なんでしょうね。

 

何様・・・そんな振る舞いをする人もいる一方で、まともな人もいる。戦のさなかで。

 

 

味方にはいい人も悪い人もいて、その人達にも家族がいる。

そんな味方たちが戦死していく様が次々に描写されるので見ていて胸が詰まります。登場人物の感情が流入してきてまたもや泣いてしまいました。

 

二宮の演技は最初微妙かと思いましたが、当時にもこういうタイプの人がいたんかなぁとも思わせるような演技です。個人的には周りと一人だけ違っているため浮いて見えて違和感を感じましたが、加瀬亮の遺体を発見したときと渡辺謙が死んだ時の顔は良かったです。

 

見ていてきつかったですが見応えがあり心も動かされました。