映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】フレンチアルプスで起きたこと(2014)

2014年。

 

1日目、2日目と旅行の一日、一日が第1章、第2章・・・というような章仕立てで進みます。

家族旅行にきた一家を中心に描かれます。

 

あらすじ:

旅行先。オープンテラスで家族仲良くランチをしているところに雪崩が。

妻は子供たちを守ろうとし、夫は一目散に逃げ出してしまいます。

このことが火種となり、やがてその火種は徐々に燃え上がり・・・という感じで序中盤は進んでいきます。

 

 

全くの前提知識なしで見ていたため、あの雪崩でいつまでひっぱんねん、と思うくらい劇中でイベントが起きません。

雪崩のことをいつまでも言っています。ストーリーに動きが欲しい人はキツイ感じかと。

アクシデント的なものは序盤のトラウマ雪崩事件とラストの運転の荒いバスくらいです。

 

ただ、テーマは考えさせられます。

一瞬の極限状況下で理想的な行動を取れるか否か?

 

このことで夫婦間が微妙になっていき、それは子どもたちにも伝播。家庭危機に。

不和の果てには旅行先で出会った訳ありカップルを巻き込んで夫を被告とする裁判が部屋の中で開廷され、登場人物が意見交換をします。夫側につく訳ありカップル男。その一連の問答が終わった後、訳あり組のパートが少々。こちらにも不穏は伝播し痴話喧嘩寸前に。というようなことが中盤に展開されます。

 

その後もスローリーな感じで男二人でバカンスに繰り出したり雪山で叫んだりする場面があり、夫が自分はクソ野郎なんだと泣きじゃくって懺悔、息子と娘がちょっと離れたところにいる妻を引っ張っていって抱きしめるという場面。ここで夫婦は今までないがしろ気味だった子どもたちの本当の気持ちも知ることとなります。

 

最終日。

前が見えないような真っ白な景色の中スキーをする一家。途中で妻がいなくなり夫が助けにいくという場面。

わざとらし目な演出に違和感を感じましたが、これは子どもたちを安心させるための一芝居だったようです。

 

ラストは、運転の荒い運転手が運転する帰りのバスで身の危険を感じた妻が運転できないのに運転を代わるといい出したり、しまいには降りるわと言い出し、乗客ほぼ全員をパニック状態にして結果着物座ってる一人を残して全員バスを降りてバスは行っちゃってその場に取り残され、みんなで道を歩くという終わり方。

 

奥を考えないと、は?となる終わり方です。

多分あんなに夫を責め立てていた妻があんなに取り乱すという皮肉を描写しているんでしょうけど、私は理解が遅いためかここでもまた置いてけぼりをくらいそのままスタッフロールへ。

正直ぽかんで終了。画作りがシンプルでスタイリッシュな印象を受ける今作ですが結構人を選びそうなニオイを嗅ぎ取りました。

 

あと印象的なのはヴィヴァルディの夏ですね。節目節目で夏のサビ?の部分が流れます。

それと”間”を感じましたね。通常の作品よりも間を長めに取っているのでその点も印象に残りました。

シュールなコメディーな部分も微妙に差し込まれていて、第二の雪崩が来て大勢逃げてるのかと思いきや次の場面でナイトクラブ?でさっきの人たちに囲まれながら半裸ハッスルする主人公がいて次の瞬間宿泊しているホテルの部屋の前でぐったりしてたり・・・

 

 

要所要所で嫌いじゃないな・・・と思いつつもラストの爽快感の抜けが悪かったのがイマイチに感じました。

賛否両論な作品っぽい気がします。