2010年。
低予算系。
雪山。
女、男、男が誰もこない地上15mのリフトで遭難するという話です。
この極限状況をリアリティを持って想像できれば結構楽しめます。
極限状態の中まず一人が試しに飛び降りてみます。
しかし結果は無残なもので足が複雑骨折で骨飛び出したりで動けない。
さらに血の臭いでつられてきた狼たちがやってきて、寄ってたかって食い散らかされて死ぬという非業の死を彼は遂げます。
女性の失禁後、中だるみのどうでもいい昔話をしたりして、いよいよ二人目の男がワイヤーを伝って足休め的なリフトまで行き、そこからハシゴのある鉄柱を下って助けを呼びに行くものの待ってましたと言わんばかりに味をしめた狼がわらわらやってきて・・・
その間に一人残された女性のリフトが整備不良によりボルトが緩み斜めった状態に。
一人で夜を明かすも戻ってきません。
もう駄目だということで意を決して何かをしようとする女性ですが、その衝撃により満身創痍のリフトがついに音を立てて落下、しかし奇跡が起き途中でリフトが止まりました。
もう十分降りても問題ない高さに。
しかしその状態は一瞬にも近い奇跡のような時間。
やばいことを察知した女性は飛び降り地表に着地。
その後すぐにリフトが上から落ちてきて脚をやられてしまいます。
ほふく前進で必死にその場から逃げる女。
ふと目の前の雪を見ると斑点状の血がいくつも。
そして視線を上げていくと狼のドアップ。
しかし男の死体を食べている所だったので見逃され、最後の気力を振り絞ってさらに逃げ行き着いた先が車道。
最後は車に助けられる・・・という物語です。
上記のような物語ですが、大事なのは物語の質じゃなく、いかに臨場感を持って劇中の絶望的状況を想像的に疑似体験できるかということに尽きると思います。
私は割と集中して見ることで想像力を発揮したため比較的物語の登場人物に寄り添えたと思います。
とくに鉄のバーにくっついた指を剥がすシーンはぎゃあああと叫びたくなるくらい見てて痛々しくゾワゾワしました。
どれだけ痛みや苦しさに共感できるかが楽しむ鍵のような気がします。
なんで女はむき出しの手で金属バーを掴む?とかワイヤーを伝う時両手だけでなぜ消防士スタイルで両足も使わない?とか非合理的な部分が雑に感じましたが精神状態や知識の無さで合理的な考えに至らないのかなと解釈しました。
あと、なんか半年くらい前に見た姉妹がプールに閉じ込められる映画を思い出しました。
共感に頼る部分が少なくないと感じたため人を選ぶかと思います。
なんとなく賛否両論で否が多めそんな印象の映画です。