2009年。
妻子を殺された男の復讐劇です。
この映画の面白いところは主人公の復讐のターゲットが直接殺害に関わった者のみならず司法取引をした検事やその周りの関係者という広い範囲になっているところです。
復讐の方法も残忍で動けなくするけど痛みはそのままという薬を使って実行犯の人体を拷問の末に細切れに切り刻むと言う方法を取ります。
それから黒人の検事の家にスナッフDVDを送りつけて奥さんと娘をPTSDにするというのが始まりです。
そこからの展開も面白くわざと刑務所に入って事前に仕込んであったネタを取引材料に検察側を翻弄し続け、次々と犠牲が。
檻の中で同居人を殺害し独房へ。
判事が銃殺(これはかなりびっくり)を皮切りに銃撃、爆殺等でどんどんターゲットたちが狙い撃ちに。
そんな中、最後のターゲットになるであろうライバルポジションの黒人検事は男の所有不動産を洗います。
そして男が刑務所に隣接した建物の所有者であることが判明。
主人公は事前に掘っといたトンネルを使って独房から外に出て市庁舎の会議で市長と議員たちの爆殺を狙います。
その陰謀に気づくもスマホの発信で遠隔起爆できるシロモノでちょっと解体は難しいということになり・・・・さてどうなるかと言う感じです。
まずストーリーが結構いいです。
テンポよく超展開が続いてどんどん先が見たくなるような脚本です。
主人公の男の都合のいいように進んでるしあら捜しすればいくつか出てきそうな感じなんですがスピーディーな展開と主人公の天才設定でまぁいいっしょということにしちゃう自分がいます。
共犯者がいそうでいない、全部遠隔で自前の発明品でやっていたというのもそんなうまくいくんかいなと思いつつも新鮮味はありました。
ただ最後がおや?と思う点が少なくなくなってきます。
最後に主人公が独房に戻ってきたときにベッドの下に爆弾があるんですけど、ここまで持ってきたんかい、と思いました。それに主人公も動かしたら即ドカンとかすればいいのに。
そしてクライマックスで主人公自滅。
黒人検事反省なしでいつもどおり、家族と仲良く。
ちゃんちゃん。
・・・。
正直物足りません。
モヤモヤが残ります。
ちょっと厳しいかもしれませんが、主人公はそれすら予測してさらなる一手が欲しかったなと感じました。それができてもよさそうなくらいの頭いい設定なんで。
最後の最後で急激に失速して傑作入りを逃した凡作、それが見た直後にこの映画に対して感じた印象です。
途中までは刑務所の中にいるやつが検事とかを手玉に取ってやりたい放題というなんかいつもの映画と違う展開で個性があって面白かったので凡作までは言い過ぎですが、それくらい最後の物足りなさがそれまでの勢いと比較して残念に感じました。
個人的には最後まで突き抜けて善悪とか因果報応とか帳尻合わせとかぶっ壊して完全なる報復を実現してほしかったですね。
とはいえこれはあくまで見た直後の興奮冷めやらぬ状態での感想です。
ただそれでもなんか安直な気もするし、もう一つなにか終わり方に工夫がほしいかなも思いますがこれ以上を要求するのは酷で限られた上映時間の中でよくやったかなとも明日になったら思えるかも知れません。
こうやって○○さえどうにかなればなぁ~というのは基本的に面白い映画です。
ということで見て損はない良作だと思います。