2005年。
外交官の夫。
妻とアフリカに行きます。
ところがある日駐在先の妻の拷問強姦された酷い遺体が見つかります。
妻は正義マンで製薬会社、パートナー会社、政府の不正を追ってました。
上層部の悪い連中はアフリカの人を使って副作用で死んでしまうこともある結核の薬で人体実験してました。
副作用で死んだ事例をもみ消したりしてました。ライバル会社が新薬開発して出し抜かれちゃうかもしれないと焦ったため。
政府の悪い連中も利権で甘い汁をすすっていました。
妻はそれで消されてしまったのです。
最初夫は妻はアーノルドという黒人と不貞行為してるのかと疑ってました。でも彼はゲイでした。
妻はちゃんと正義マンをしていたのです。正義マンというか正義ウーマンですが。
夫は妻が夫に危害が及ばないように、夫を守るために生前にいろいろ手を尽くしてきたことが判明し、泣きます。
そして妻の遺志を継ぎ危ない一件に首を突っ込みます。
独自に捜査していくうちに同僚の男が事件に関与していることを突き止めそこから真相をたどっていき、落ち目の上層部の人や結核治療薬を製造した医師を経由して悪の親玉の不正を暴く証拠の手紙をゲット。
いとこの友達にその手紙を託し、親玉の殺人教唆を公表。親玉はおそらく失脚することでしょう。
一方主人公の夫は妻の死んだ場所に行き、盗賊に殺されてしまいENDとなります。
結構鬱エンドでしたね。
全体的にサスペンスでなかなか雰囲気があり結構没入できました。どんぱちはほぼなく現実的に話が進んでいきます。地味な絵ながらも画面の雰囲気作りがなかなかいい感じで中だるみはほとんど感じられませんでした。
レイチェル・ワイズ演じる妻はアフリカで搾取されている人たちを救おうと奔走していますが、劇中、アフリカ滞在中に妊娠しますが、残念なことに死産となってしまいます。
ここが彼女の命の分け目だった気がします。
もし赤ちゃんが無事誕生していれば守るものができて危険な道を選ばなかったかもしれない。
でも結果は死産。ここが危険な道を選ばせるトリガーになったのかもしれません。
当初ことなかれ主義的な立場にいた夫が妻の死と思いを悟った時に妻の遺志を受け継ぐ決心をして行動するパートの際に印象深いシーンがありました。
盗賊から逃げ回って飛行機に乗る時に主人公が偶然拾った現地の子供を乗せようとします。しかしルールで乗せられないと言われるものの、金を掴ませてまでその見ず知らずのたまたま拾った子供を乗せようとする主人公と乗務員の一連のやり取りです。
主人公の熱意、人間性を発揮するシーンですが妻の死後真相を知った前後の対比を象徴するシーンかと思います。
その後子供が場の空気を読んで自ら飛行機を降りるシーンも胸が痛いです。
運が良ければ難民キャップにたどり着けるかもしれないけど、そうでない場合は死です。
最後に夫の死絡みの演出もえ?後追い自殺したの?と思わせておいて本当はこうなんだよねという真相がわかる、というふうになっていて工夫を感じました。
ただいかんせんバッドエンド。
こてこてのアクション映画なら手持ちの拳銃でどんぱちして撃破なんでしょうけど、実際はこうなるよな・・・という現実的納得もあります。
利権にたかる連中、その犠牲となる弱者とか考えさせられると同時にそれが現実世界で起こっているという・・・なんだかなーという気にもなり、バッドエンドでもあったので見終わった後はただただため息が出るばかり・・・そんな映画でした。
悪くはないです。