映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】テラビシアにかける橋(2007)

2007年。

 

変わり者ゆえにいじめられている二人の少年少女が空想の国テラビシアを作ります。

テラビシアの中ではファンタジーな世界観になりますがそれは部分的で実のところ物語の大部分は現実世界です(パッケージ写真ではエルフとホビットと愉快な仲間たちみたいなことになってますが)。

 

学校ではいじめられ、家では家で親父と折り合いが悪いという少年は絵を書くことで現実逃避し自分が作り出した空想世界だけが自分の唯一の居場所みたいなことになっています。

 

ある日転校生の女の子がやってきて隣に引っ越してきます。彼女も主人公と同じように周りと馴染めません。テレビがないとかからかわれて。

彼女の両親は作家。それ故に彼女もまた文章を書くのがうまいです。

 

この二人はやがて心が打ち解け合い、絵と文章で独自の空想世界のストーリーを作り上げていく過程を探検に見立ててファンタジーの世界を作り出しそこにテラビシアという国を作る・・・というような感じだと解釈しました。

 

後半の突然すぎるあの展開は置いておくとして基本的には視聴者の子供時代を想起させるような作りや展開はなかなかよく、ちょっとしたスパイスも効いているストーリーに仕上がっています。

 

厳しい先生、憧れの音楽の先生、親父、妹、中2のいじめっ娘等脇役も結構いいんです。

 

 

ただ吹き替えが実に微妙すぎます。

最も出番が多い少年(10歳)の声がなぜかえなりかずき(成人時)みたいな声をしている上に棒読みでどうにも気の抜けた炭酸のような声をしています。

もうそこが気になって物語の進行に水を差します。

主人公故に出番が多く、主人公が口を開く度に違和感を感じざるを得ないというのは正直かなり邪魔な要素で結局最後まで慣れることはありませんでした。

 

ですので字幕版での鑑賞を強く推奨します。