1998年。
ロベルト・ベニーニ監督、主演。
ユダヤ系イタリア人のグイドという陽キャの中の陽キャみたいな男性(主人公)が高嶺の花の女性に一目惚れして天性のお気楽スタイルでアタックしていきます。当たって砕けろな感じじゃなく徐々に中を深めていくという感じでついに振り向いてもらえます。
主人公が底抜けに明るく人柄が良いんですけど常識はずれでちゃめちゃなことを度々やらかすため人からは社会不適合者と思われてます。
でもなじみの連中にはなんだかんだで好かれてます。度々ガタイのいい男性の帽子を自分のとすり替えちゃったりしますけど相手も相手でしゃーねーなぁみたいなノリです。
ウェイターとして働いてておえらいさんとも仲良くなって謎々を出し合ったりしてます。
そして子宝に恵まれ慎ましやかな絵に書いたような幸せな生活を送りますが、ナチスに拉致られてしまいます。
奥さんは対象外のようでしたが夫、息子と離れるのが嫌で立候補して乗り込んじゃいます。
そこから強制収容所編になります・・・という流れです。
この映画は何というかすごいですね。扱ってる題材はシンドラーのリスト、戦場のピアニストのようなナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)なんですけど主人公の明るい性格そのままに最後まで暗くならない演出が新しいです。この内容でこうするかと。シンドラー、戦ピアのように直接的でグロい殺人描写とかはなくオブラートに包まれています。そのためかナチスの恐ろしさについて油断してしまうところが正直ありました。しかしそれを逆手に取るかにようにラストにとても哀しいことが起こってしまいます。
それにしてもお父さんは強いですね。あの環境で卑屈な感じを見せません。息子のために一貫してあれができるのがすごい。最期の最期まで子供を安心させようとしていた姿が印象に残りました。
いい映画です。