映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】レインマン(1988)

1988年。

トム・クルーズダスティン・ホフマン

 

25年くらい前にテレビで見た記憶があります。楊枝の数を一瞬で数えるシーンだけ覚えてました。

 

自閉症で白痴の天才サヴァン症候群である兄と弟の物語です。主人公はトム・クルーズ演じる弟で疎遠になっていた父の死をきっかけとして兄がいることが判明。父の遺言によりその兄に遺産が全部行くらしくそうはさせるかと弟が行動を起こす・・・というのが導入です。

 

病院にいる兄を強引に連れ出し、ロードムービーが始まります。基本的に兄に振り回されますが時折仲良しイベントが発生します。モーテルのシーンとかラスベガスをぶっつぶすシーンとかスイートルームでダンスするところとかです。ストーリーありきというよりも主人公二人のキャラ前提でストーリーは飾りみたいな感じなので不自然さや脚本の都合でキャラが動かされているというのは感じられません。

最強のふたりとかグリーンブックみたいですね。こういう系は名作になりがちなんでしょうかね。

 

ラストの別れる前のやり取りだったりは露骨なお涙頂戴的な感じじゃなく奇跡的に一瞬わかりやすく心が通じ合ったバンザイ!というんじゃなくあくまで自閉症というリアルがまずあってそこからああいう流れになりそこに一貫性を感じました。

 

月並みですがダスティン・ホフマンの演技はリアルです。自閉症の人を関わったことがないのでその実はわかりませんが、知らない人でもこういうもんなんだーと思わせる納得感ある演技。一朝一夕でできるもんじゃないので相当研究されたんだと思います。

 

トムは当初カネ目当てで兄に近づきラストには兄に特別な感情を持つに至るわけですが、今作は個人的にわかりやすく描いていない(あえて)ためかそんなに愛着持つようになる?と思っちゃいました。自分の身に置き換えてみると(失礼ですが)あんな予測不可能な存在に対して(いくら兄弟だからといって)許せるかどうか怪しいかなと思っちゃいます。愛よりイライラが勝ってしまいそう。。。私が薄情な人間だからかもしれませんが。それにそんなトムでも兄を利用してカジノで大金を手にするというイベントがなかったら・・・とも考えてしまいます。もしも「見返り」がなかったらどうなんだろう・・・という邪推も入ります。

 

おそらく私の対人経験値が低いことに起因する感想のため対人経験豊富で世の中にはいろいろな人がいる、だから許すことができる人間のカバー範囲が広いという方には感情移入ができるかもしれません。ただ私はそうではないのでいまいち弟の心の変化に対しておや?と思っちゃいました。

 

見る側の人間経験に左右される映画(この作品に限らずすべての映画に言えるかもしれませんが)なのかな?と思った名作でした。