映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】カイロの紫のバラ(1985)

1985年。

ウッディ・アレン監督。

 

映画の中の登場人物が現実世界に出てくるというお話。

幸薄い女性が主人公。夫はいるものの浮気やらDVやらヒモやらで最低男。

そんな不幸な彼女の唯一の趣味は映画。

その中の登場人物の男に惚れています。

ある日奇跡が起こって画面の中から憧れの彼が出てきて恋に落ちます。

 

しかしスクリーンの中の他の登場人物たちは困惑。

彼が戻らないと話が進まず、これからの作戦会議を練ったり愚痴をこぼしたりやたらフリーダムになり始めます。

そして最もフリーダムな映画から飛び出した男には現実世界にモデルがいて、やがて幸薄主人公を巡って現実と虚構の同一人物同士が争い出します。

 

幸薄主人公はどっちを選ぶのか? という流れです。

 

 

この映画は実にいいですね。荒唐無稽な設定とは別に独特の雰囲気があります。私が見た中では同じウディアレンのミッドナイト・イン・パリと同じ空気感ですね。

 

ラストの主人公の選択、オチ、ラストの表情等いろいろ考えさせられます。私でも彼女と同じ選択をするんじゃないかと思いました。

 

シーンでは現実世界の人間の主人公がスクリーンの中に入ってスクリーン内の登場人物と交流するシーンが良かったです。

 

ラストで彼女はすべてを失ってしまいますが、それでも映画鑑賞という趣味は失っておらず謎の希望感(ちょっとですが)があり悪くなりがちな後味を余韻に変えていてナイスなラストでした。ただ現実逃避してただけかもしれませんが。

 

独特の余韻のあるいい映画でした。