映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】映画 「聲の形」(2016)

2016年。

 

小学生時代に聴覚障害者の女の子をいじめてしまった男子高校生の苦悩を描く物語です。

 

原作は以前に2度読了済みでしたが内容は忘れていました。ただ見ていくうちにだんだん思い出してきました。

 

全部で確か7巻くらいあった原作を2時間ちょいにまとめたという感じです。多少行間を読む必要がありますがよくもまぁ2時間にまとめたなぁと感心しました。

作画はとてもキレイで手抜きなし。

 

かつてのいじめの加害者側と被害者側の話なので重いです。なので距離感がなんとももどかしいというかはがゆいです。互いにおそらく好意を持っているんだけど過去の出来事があったために距離感が他の作品にはないオリジナリティを感じます。好意の中に申し訳無さとかどう接すればいいのかというような困惑なども含まれていてとても複雑。

これが普通の友達だったら久々に再会していい雰囲気になって普通にカップルになって・・・なんですがね。

 

いじめた男の子もまたいじめの被害者でもあり(いじめって連鎖しますしね)、描かれてはいませんがおそらく中学時代に無視されていてあのような他人の顔にばってんマークを貼り付けるようになってしまったんだと思います。

 

中盤で小学校時代にそのいじめが行われていたクラスにいた人物が再会し一同に介します。もともとのいじめの被害者、加害者のリーダー格、表立っていじめに加担していたやつ、直接手はくださないものの影で悪口を言って結局加担していたやつ、傍観者、助けたくても助けられなかったやつそういうやつらがまた顔を合わせることになります。

 

そして負の連鎖が生み出され、その行き着く先に聴覚障害者の自殺未遂が。そして助けようとした加害者の男の子・・・という感じで全体的にネガティブな内容だと再確認しました。

 

キャラではメガネキャラの悲劇のヒロインの自分大好き~なナルシストな女の子がとにかくうぜーって思って見てました。花より男子の中島海を彷彿とさせるむかつき度。

でも最後は千羽鶴作ったりして善悪とかいう観念がなくとにかく自分大好きなんだなぁとこのキャラを諦め許している自分がいました。なんやかんやでいいキャラしてんなと思いました。

聴覚障害者女性の妹さんのキャラもいい。

 

最後は色々血なまぐさいこともあったけど、主人公の男の子は他人の顔ばってんマークの呪縛が解け罪悪感から解放されたことを予感させる爽快感あるENDでした。

ずっとメインの二人を見ていてお前らくっついちゃえよ!と思ってやきもきしていましたが、そうなることを願います。

 

それにしても尺の制限があるのにここまでクオリティーを高められたなぁと。

思っていたよりも良かったですね。映画版。