2014年。
大泉洋主演。
いい歳になっても独身で売れないマジシャンの男が主人公です。
自分の人生をクソだと思っていてやさぐれています。
そんな中警察から親父が死んだという連絡が。
遺骨を受け取り涙に暮れていると頭上に雷が落ち・・・という流れです。
この映画個人的には最初から絵的にも話的にも割と好みで好印象なスタートでした。それからまさかのタイムスリップものだということがわかり期待度が増します。
過去に戻った主人公が若き日の親父、主人公を妊娠した母親と出会い半年後に自分が生まれるということがわかります。
主人公は若き日の親父とコンビを組まされマジックショーに出演。売れっ子になっていきます。
そんな折り、妊娠していた母親に病気が発覚。母親の命を取るかお腹の中の子供の命取るか?という展開になっていきます。まぁ産むことは確定路線なんですけど。
感想は普通に泣きました。いい映画です。
劇中で3回くらい泣きそうになり母親に未来の自分のこと、母親への想いを語るシーンで泣きました。その前の息子と親父の喧嘩も涙腺に。
産まれてきた子供=クソな人生を歩むことになる自分とわかっている主人公はそんな自分と引き換えに命を落とすことになる母に生きてもらいたいので親父に子供は諦めろと言ったところをぶっ飛ばされるというくだりです。この映画を観る側のクソ息子(娘)指数、親不孝度が高ければ高いほど感情移入レベルもアップしますのでそれに比例して泣ける、というシーンの筆頭かと思います。
ただ欲を言えばもっと絵作りというか背中で語る的な感じでいって欲しかったという気持ちはあります。
邦画や日本のドラマでやりがち壮大な泣け泣けBGMや冗長な演出に若干没入感を削がれてしまったのが残念です。
残念と言えばラストですね。ちょっと締まらなかったかなと。それまでが良かっただけに立つ鳥跡を濁してしまった感を相対的に感じてしまいこの点も残念でした。終わりよければ全て良しの逆なだけに。
とは言え、泣かせてもらいましたし、生きることに疲れている人、諦めようとしている人、親は生きているけど疎遠な人等に見てほしい映画だと思いました。