映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】 オーガストウォーズ (2012)

2012年。

スヴェトラーナ・イワノーワ主演。

2008年に実際に起きた南オセチア戦争を舞台にしたロシア映画です。

邦題がサマーウォーズっぽいですが割と真面目な(演出は別として)雰囲気です。

 

戦争が起きそうなのに別れた夫(軍人)の元に息子を預けたら、戦争が勃発。ママは急ぎで現地に来ちゃいます。

しかし戦火が激しく、息子と離れ離れに。息子は目の前で父親と祖父母を戦争で失い一人取り残された状況に。この絶望な状況の中ママは息子を見つけるために頑張る、という感じです。

 

戦争映画の中に想像上のトランスフォーマービーストウォーズとかアベンジャーズとかパシフィック・リムみたいな存在(息子のイメージ)が挿入される不思議なタイプの戦争映画です。

 

戦争シーンはリアルなのに、時折、非現実的な物体があまり技術レベルの高くないCGとともに挿入されるので、それが戦争という極限状態の緊迫感に水を差すという致命的な欠陥を内包している点が気になりました。

 

強い母、息子を助けるためにすべてを投げ売って頑張る様子を描きたいのはわかりますが、それに固執するあまりか、なんかへんな感じになっています。

 

まさにドンパチ合戦中で銃弾飛び交う戦場で兵士でもなんでもない普通の女の人が男の人の後ろに捕まっている(男性兵士のベルトを後ろから掴んで移動している)という絵面はたしかに新鮮かもですがやっぱりなんかどこかおかしいです。こうこうこういう流れでこうなったというのはわかるんですが、すごいシュールです。

 

そして時折挿入されるビーストウォーズみたいなCG描写が輪をかけてシュールさアップに貢献しています。

 

主人公の女性は勿論死にません。そこで映画終わっちゃうんで。見ながら常に頭の片隅でこの女性リアルだったら何回死んでんだろう?とずっと思ってました。

 

ちなみに美人ママの為か周りの男性兵士はなんやかんやでみんないい人で事あるごとに助けてくれます。なので美人は得だなぁと思いました。