1992年。
クリント・イーストウッド監督主演の西部劇。
娼婦がかけた賞金目当てに隠居した元悪党ガンマン(子持ち妻他界生活苦)が賞金目当てに他に二人引き連れ…という流れです。
ストーリーはわかりやすく比較的見やすいです。
西部劇と言えば白昼の酒場前での睨み合いとか荒野での決闘なんかのイメージですが、この作品はそういうのもありつつ、夜のパートも印象深いものがあります。
暗がりに僅かな明かりという酒場の感じとか絵的に良いですね。ラストの雷鳴轟く雨降りしきる夜とか。
キャストではジーン・ハックマン演じる保安官が醸し出す緊張感が中々のものです。主人公が怪我の手当を受けているパートで介抱してくれた顔が傷だらけの娼婦とのやり取りもなんかいいです。
西部劇と言えば劇中で軽々と命が消費されていくイメージがありますが、この作品では明らかに命の重みを全面に出しています。命を奪うことに当事者が葛藤し後悔します(舎弟の人)。そこが良くこの人もひとりの血の通った人間なんだという当たり前な感じが出てて良かったです。
クライマックスは派手なドンパチというわけではありますが、緊張感、凄みは中々のもの。ストーリーの巧妙さ、映像の凄さ以外の何かがこの映画にはあり少しの余韻を感じることが出来ました。
地味な感じですがなかなか良かったです。