1999年。
マット・デイモン主演。
最初についた嘘が雪だるまのように大きくなっていくというストーリーです。
裕福じゃない家出身の若者が主人公。ひょんなことから大富豪と知り合いに。息子探しを依頼。連れ戻せば破格の賞金ゲットです。
金持ちの息子はクソ野郎です。でもそんな彼に次第に惹かれていく主人公。そう、彼は同性愛者だったのです。
金持ち息子は最初こそ主人公に対して好印象でしたが、やたらアピってくる主人公に嫌気がさしてきます。
主人公も主人公で金持ち息子に対して不満な点を多々心の奥にしまっています。
そして呉越同舟とばかりに二人きりのボートで互いが本音を打ち明け爆発します。
ここでちょっと考えさせらえましたね。やっぱり住む世界が同じじゃないと本当の友情は培われないんじゃないかと。
自分は何も支払わず、友達のお金にヒルのように吸い付いているようだと、そこに主従関係のような心理状態が形成されるし、絶対に覆ることにない事実なので喧嘩した時にそこを突かれるぐうの音もでなくなるからです。だから喧嘩はできません。では果たしてそんな関係は友達と言えるのでしょうか?そんなことを考えてしまいました。
取っ組み合いになっているうちに金持ち息子の顔から流血。それにブチギレた金持ち息子は主人公を殺そうとします。主人公もとっさに反撃し、過剰防衛で金持ち息子を殺してしまいます。
その後ホテルの受付に金持ち息子に見間違われた主人公がなりすましを決行します。
マット・デイモンとジュード・ロウって似てるかな?という疑問が浮かびましたが、そういうことにしときました。
金持ち令嬢のケイト・ブランシェットがまた出てきてからは、三谷幸喜の王様のレストランの宋支配人のエピソードのような、(脚本的に)ついた嘘を利用してどこに転ぶかわからないというようなテクニカルな感じになってきます。
ある人物には金持ち息子として振る舞い、またある人物には主人公リプリーとして振る舞うというレギュレーションになります。
そこでうまくかち合わないように(ばれないように)立ち回っていく脚本の処理がうまく、ここでこの物語は面白いなと確信しました。
いやいや、普通バレるっしょみたいな主人公補正がかかったご都合主義のストーリー展開と言えなくもないですが、見ている最中はいつバレる?終盤に刑事がやってきたシーン、グウィネス・パルトロウに詰め寄られたシーン、探偵がやってきたシーンででアウツかと思われましたが、そこを乗り越えていったのは逆に良かったです。
もうここまで来るともう最後までバレずに突き抜けてほしいとすら思ってきます。
そんでラストの船のシーン。
ここで絶対ケイト・ブランシェットが再登場すると思ってました。唯一(じゃないかもしれませんが)現時点で主人公を金持ち息子だと未だに思っている人です(この人のご両親もそう思ってますが)。
ここでバレてしまうのかと思いきや最後は・・・
予想しなかったなんとも切ない結末となり見た後にぐったりしました。
切なすぎるんだけど、冷静に考えてみたらクソ自己中な主人公で吐き気がします。
せっかくベストパートナーに巡り会えたのに。
でもそうしないとすべてが崩壊するからそうせざるを得なかったんですけどね。
主人公があの後死体をどうするのか?とか考えるとバレるのも時間の問題のような気がします。
ケイト・ブランシェットは生かしておくことができませんけど、その更に先にご両親がいるので殺すべき人物が多すぎるので、どっか別の土地でひっそり新しいパートナー探しでもするのかなと思いました。
また、金持ち息子が船での戦闘で勝利した場合、その後処理はどうするのかなぁ?というのも想像が働きます。
ちょっと主人公補正が効きすぎな気もしましたが、十二分に楽しめたので良かったです。後味悪いけど。