【映画感想】探偵物語(1983)
1983年。
1980年代が舞台ということで鉄道のきっぷ売り場が昔なつかしだったり、きっぷを切るのが自動改札機じゃなく、駅員さんだとか昔の日本を感じさせます。
主人公は大学に通うお嬢さんで、近々アメリカに行くことになっています。
大学には憧れの先輩なんかがいたりしてそれなりに充実した大学生活を送っているように見えますが、本人は退屈だと感じています。
憧れの先輩と一夜をともにする寸前までいくものの(先輩はイケメンで背が高くチャラ男気味)探偵の松田優作が乱入。それが二人の出会い。
それから一緒にいるうちに打ち解けていきます。
そんな折、松田優作の元嫁が指名手配に。恋人のヤクザが何者かに刺殺されたのです。さて犯人は誰なのか?そしてその後どうなる?
という感じです。
感想は面白かったです。
若干そこは巻きでいけよと思うカットが散見されますが、まぁいいでしょう。
ヤクザが殺されるところから物語が転換し、本格的な探偵パートが始まります。
犯人は後から見返すと伏線もあり犯人当て自体は簡単だと思います。
ただ、見ている最中は誰が犯人かわかりませんでしたので、ああ、そういうことかという納得はありました(驚きはありませんでしたが)。
ただ、メインは大きな殺人事件の解決というよりかは、薬師丸ひろ子と松田優作の微妙な恋関係なんじゃないかと思いました。
出国前夜にお泊り上等で松田の家にやってきて、ホテルで処女を捨てたみたいな告白をするシーンはなんともじれったい感じがしてやきもきしました。
ただ、ホテルで行きずりの男と何もなかったと最後に打ち明けてくれて鑑賞側としてはスッキリした感じもします。
おそらく何もしていないんだなぁと思いつつも、排気口のトリックを発見した後になんの描写もなかったため、不確定だったからです。
なので正式に本人の口から何もなかったというはっきりとした発言があってスッキリしたのだと思います。
最後はまぁなんというか、そうなのねという感じでした。まぁコレが無難なんでしょうね。
終わってみれば、意外とそうでもなかったかな?と思いつつも、見ている最中の没入度は高く、今は結構なおばさんになってしまった薬師丸ひろ子が初々しく中学生くらいの見た目なのも新鮮で、松田優作も良かったです。息子さんの松田龍平さんっぽいですね。演じ方も遺伝するのかな?なんてことを思いました。