【映画感想】ショーシャンクの空に (1994)
ロックアップのような囚人ものです。
主人公が囚人たちを変えていくというのはちらっと見ていたのでんあとなくグリーンマイルのような特殊能力でも持っているのかと思いきやたしかに有能ですが税務知識等の現実的な範囲に収まっていました。
最初から一人だけ佇まいというか優雅に刑務所内を闊歩する長身のティム・ロビンスが印象的。
相続税で困っている看守に取り入ったところから面白くなります。税務を格安で引き受けてくれる囚人は看守たちにとっても利用価値が高かったのでしょう。
ビールを振る舞わったりして囚人たちとの友情が芽生えます。
ロックアップでは割とみんな仲良しみたいな印象でしたが、このショーシャンクではモーガン・フリーマンにほとんどを振っている気がしました。トムもいますがすぐに退場してしまいましたし。
そしてこの映画で最悪レベルな人間である所長。ロックアップもそうでしたが所長はクソなのが定番なんでしょうか。最初は比較的穏健派かと思われましたがドクズもいいとこでした。
クソ野郎と言えばこの映画で序盤に出てきたホモ野郎のようなクソ野郎もロックアップにいましたが、他にこれといったクソ囚人がいなくてそこらへんは割と見やすかったです。
見やすいと言えばこの映画自体の作りがモーガン・フリーマンの述懐という形式のため時系列が順序だっていて見やすい作りになっていますね。
印象に残ったシーンはいくつかありますが、館内放送でレコードを流すシーンがいいですね。
年月の経過も折々入れてテンポいいです。その間に本の寄贈や図書館オープン、高認教育等で刑務所は育っていきますが、看守たちは腐ったまま。
他には仮釈になるのが不安で癇癪を起こして囚人仲間の首にナイフを突き立てて暴れたおじいさんのエピソードですね。このおじいさんは後に図書館の名前になったり死に際に残したメッセージの横に終盤でフリーマンが書き残したりと後々までこの人物の影響が残ります。
メッセージと言えばこの映画の印象的なセリフ「必死に生きるか、必死に死ぬか」ですね。このメッセージの必死に死ぬについてよくわかりませんでした。あのおじいさんのエピソードのことなんでしょうかね。
そして秘密裏に進めていた脱獄計画。
主人公は刑務所の悪事の証拠を持って脱獄。所長の悪事により手に入れた別の名前で自由の身とお金を手にしたと同時に悪事を暴くという展開はいいんですけど、どこかうまく行き過ぎ感がありました(ここでダレてもテンポ悪くなるだけでいいことないということはわかってるんですけど)。まぁ主人公はとても有能で凡人以上の能力があるのでそれはいいんですけどね。
ラストシーンの海がとても綺麗でした。
多少ケチをつけましたが高い評判も納得の傑作だと思いました。