2016年。
韓国のゾンビ映画。
列車をメインにゾンビに追われるという物語です。
だじゃれみたいなタイトルからB級ゾンビ映画のひとつかと思いきや結構完成度が高くよかったです。
噛まれるとゾンビになっちゃうゾンビパンデミック系でねずみ算式にゾンビが増えていくという状況。
生き残り組が協力して苦難を乗り越えようとします。
主人公は娘と折り合いがよくない父ですが、他にもオラオラ系の人とか野球部員の人とかホームレスとかのゾンビになってない正常な人たちがメインに戦います。さらにその人達の周りには守るべき、娘、妊婦、彼女などがいます。
だんだん主要メンバーが見せ場を見せつつ先に進むための犠牲となり退場していき、最後には・・・というザ・コア(2003)のような流れです。
オラオラ系のおそらく登場人物の中で最高にかっこいい性格をしている人が印象に残りました。他人だとしても決して見捨てないという感じのおっさんです。
反面、自分のことしか考えていない人たちもいて、そういう人たちとの言い争いなども描かれ、ゾンビの餌にされちゃいそうにもなったりします。ここらへんは結構生生しかったです。
主人公は最初自分と娘だけが助かれば後はどうなってもいいという性格でしたが、娘を始めとするいい人たちとの交流により、みんなのためにも動くように変わっていきます。
そしてトラブルの中で娘との絆が段々復活していく過程も描かれます。
最初は小規模な電車でゾンビパニック、一旦降りて駅内でゾンビパニック、メインの列車で・・・という具合にステージが移り変わっていきます。
メインの列車パートになる時に、列車が嫌な奴の策略によりさっさと出発しちゃって、乗る車両がずれて、助けに行くためにゾンビ列車をかいくぐっていくというのも列車という性質をうまくいかしてるなと思いました。
ゾンビが暗所で活動力が停滞するという設定とトンネル(暗くなる)という要素を生かして登場人物たちが知恵を使って(主人公が主に知能担当)ケータイを放り投げて電話かけて音でゾンビを集めさせてその隙きに逃げたり、天井近くの荷物を乗っけるところを移動したりというのも環境をうまく利用してるなと思いました。
自分のことしか考えていない人代表みたいな嫌な奴の潔い悪人っぷりもよかったです。自分が助かるためには人を騙したり盾にすることをなんとも思っちゃいない人です。こういう人に限って意外と助かっちゃうというのもあるあるですね。生へのあくなき執着とかそういうんで。
ラストもまぁこうなるんでしょうねという展開でしたが、絆の再生とかちゃんと描けてましたし、ギャグゾンビパニックという映画じゃないです。ちゃんと見れます。
ゾンビたちの人件費もかなりかかってそうなくらいいっぱいいるし、何かの邪悪な悪霊のようにドバドバ湧いて滝のように流れてきて結構画面がカオスに出来ていたと思います。演技も結構やばいです。
でも途中でなんか知らないけど列車ゾンビたちが何故か大人しくなっちゃっちゃったり(元々人間なんで疲れちゃったんですかね)と緊迫感にメリハリがありました。緊迫感はずっとあったほうがいいんですが。
B級と思いきや意外とちゃんとしてたゾンビ映画、それが新感染です。