【映画感想】ホテル・ムンバイ(2018)
2018年。
2008年に実際に起きたムンバイ同時多発テロをモデルとした実話ベースの映画。
冒頭から何やら不穏な空気のする映画ではじまりからただならぬ雰囲気があり引き込まれます。
舞台はインドの高級ホテル・タージマハルホテル。500人の宿泊客を守るために頑張ったホテルマンたちの物語という触れ込みですが、実際見てみると残虐描写のほうが印象に残り、ホテルマンたちは確かに頑張ってはいたな・・・という感じでした。
とにかく緊迫感がやばい映画でずっとハラハラドキドキしながら見ていました。
タワーリング・インフェルノとかポセイドン・アドベンチャーのテロリスト版という感じです。
劇中でかなりの人死が発生しますが、ヒロインポジションの人が唯一助かるシーンのくだりではこれまで描写のあった主要人物が次々とあっけなく殺される場面が一番印象に残りました。
普通の映画だと主要人物かついい人の人質は報われますが、この映画では報われません。容赦なく殺害されてしまいます。
実話がベースになっている映画特有の救いようのなさ。
物腰の柔らかい老執事みたいな人が最後の最後で身を挺して死んでしまったのも残念でした。
緊迫感もありスリリングでしたが、見終わってみれば残ったのは若干の胸糞の悪さです。
電話で指令していた主犯はリアルでも捕まっていないようです。
一番悪いやつが退治されないというのはやっぱりスカッとはしませんね。当たり前ですが。
見ごたえも緊迫感も標準作品を上回っていましたが見終わったあとに疲労感や報われなさといったネガティブなものが自分の中に残る作品でした。
教訓めいたものも今の所ないです。あんな状況になったらもうどうしようないですし。