映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】アウトブレイク (1995)

1995年公開。ダスティン・ホフマン主演。

 

コンテイジョン(2011)とは結構違っていますね。コンテイジョンはどちらかというと新型コロナに似たウイルスが題材でこちらはエボラ出血熱をさらに悪質にしたようなウイルスが題材です。前者が最終的に世界規模で広まったのに対して今作はアメリカ全土に蔓延する脅威はあったものの規模的には2600人程度でした。

 

またコンテイジョンは淡々と時系列を刻んでいたのに対して、今作はヒューマンドラマや足を引っ張る無能な上司、隠蔽する上層部、とってつけたようなアクション要素などのよくある地球滅亡映画のお決まりもありエンターテイメントやセリフの端々に現れるコメディー要素も若干入っています。ウイルスをバイオ兵器としたい上層部と主人公の戦いも描かれています。

 

個人的にはコンテイジョンは淡々としすぎていてやや退屈なものを感じたのに対して、こちらはリアリティーを幾分か放棄した分をエンターテイメントに振っていたので最後まで楽しく見ることができました。まぁありがち感は感じざるを得ませんでしたけど。

 

登場人物で気になったのは黒人の新人君。最初は頭でっかちのヘタレだと思っていましたがその後にチートキャラであることが判明します。知識はまず十分ですし、周りのベテラン勢が服に何かを引っ掛けたり、誤って自分の手袋に注射を打ってしまいウイルスにやられてしまう中、最初のパニックでの失敗以外はミスなく完璧に仕事をこなし、おまけにヘリの操縦技術は米軍一を名乗るパイロットともひけを取らないどころか、凌駕しているような完璧超人です。しかし主人公に襲いかかる試練も並大抵のものじゃないのでそんなチートキャラも許せてしまいます。

 

あとはドナルド・サザーランド。ロックアップでも悪魔の所長役をやっていましたが今回も人命よりも利益優先というような人物を演じていました。酷いやつだなぁと思いつつも少し前に28週後...を見ていたため(こちらでは上からの命令でゾンビ化してるしてないに関わらず全市民見境なく虐殺する命令が下る)生暖かい目で見ることができました。

 

それにしても終盤の駆け足感の強い映画です。抗体を持つ猿を捕獲しに部隊に追われながらヘリに搭乗、TV局ジャック、猿の捕獲、往復で空中戦、ワクチン作り、妻に投与、ここで一段落と思いきや核弾頭を止めるミッション。最後にまさかのサザーランドとホフマンの舌戦。互いに核爆弾を輸送しているパイロット二人に訴えかけます。

最後は別れた夫婦が復縁というハッピーエンドなので後味は良かったです。

 

前半は感染爆発に至るまでの過程を描いていてコンテイジョンのような感じで、後半はワクチンができあがるまでの障害を乗り越えるミッションになっていてエンターテイメント性溢れるウイルス系映画でした。