【映画感想】スモール・ソルジャーズ (1998)
1998年公開。
トイ・ストーリーのようなおもちゃが活躍するタイプの映画です。
最初は甘く見ていましたが最後まで見て非常に良い映画だと思いました。
コメディー映画としても凝っており、子供のみならず大人も関心するでしょうし、どこか懐かしい気分を思い起こすことでしょう。
軍需用チップを埋め込まれたおもちゃが暴走するというものですが、いかにも主人公っぽい軍人が敵でやられ役のモンスターが味方になっています。
その敵のおもちゃの軍隊の連中、最初こそ大したことなかったのですが、AIなので知恵をつけてきたのかだんだん強くなっていきます。隊長の執念も相当なものです。最終的にはじいさんを人質に取るくらいやってのけます。
おもちゃたちの攻撃アクションも多岐にわたりすごい数のアイデアです。
投石機の要領で睡眠薬を人間たちが飲んでいる最中のグラスに入れて眠らせたり、テクノロジーにより部下を量産したりしだします。これは勿論現実世界ではんなことあるかい!ってなるわけですがエンターテイメントなのでこれも許されます。
足でひねりつぶせるとたかを括っていたんですけど、だんだんと群れをなして遅いだして人間側が窮地に追い込まれてしまうという展開になります。人間たちの乗るバイクに追いついたり、電線や木を砲撃でなぎ倒したりと規模がでかくなりすぎなのが気になりますがそれは無視です。
人間側ではヒロインの女の子(キルスティン・ダンスト)が所謂ビッチな性格をしていてボーイフレンドがいるにも関わらず主人公に二股をかけようとほのめかしたりと型にはまらないキャラ設定で良いですね。子供だから可愛げがあると言いましょうか。それでいて行動も大胆。邪悪なおもちゃたちをバキバキにしたり芝刈り機で一掃したりとエキセントリックな面も全開。それに引き換え主人公はいい意味で無個性(ドラクエの主人公的な感じ)。
最後の瞬間まで気が抜けないギリギリの戦闘になります。
それにしても主人公の母親が有能な司令塔っぷりを発揮しだしてからが面白いです。昔ならしたテニスの腕前を発揮してナイスなフォアハンドで敵の玉を跳ね返したりと大活躍。
最後に出てくる社長がいい味を出していますね。金で全てを解決します。人死が出ていれば別ですがそうでない場合は金で解決できますんで人死が出ていないこの映画ではうまい後処理の仕方をしています。
そしてラストバトルの際に伏線が仕込まれて、その伏線によって主人公の味方だったおもちゃたちは助かるという構成に。そして最後は前半パートで伏線だった船に乗って自分たちの行くべき地を探す航海に出るというとても爽やかで後味の良いENDになっています。
子供向けだとたかをくくっていましたが、終わってみれば大人の鑑賞にも耐えうる秀作でした。