映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】アイ・アム・レジェンド(2007)

2007年。

ウィル・スミス主演のウイルスゾンビものです。

 

廃墟のニューヨークが舞台。やばいウイルスが空気感染で世界中に広まってだいたいの人たちは死にます。残りは狂犬のように人を襲うということになってます。

 

ウィル・スミスは世界で唯一のそのやばいウイルスに対して免疫を持っています。3年間サムというワンちゃんと一緒に過ごしており、毎日いるかもわからない生存者のために無線でメッセージを発信し続けてます。

一方で科学者なウィルは捕獲した感染者から血清を作り出そうとしてますがうまくいきません。

しかしボス的なやつに目をつけられて・・・という流れです。

 

 

物語は大きく分けて前半と後半に別れます。

犬のサムと一緒の前半、生存者が出てくる後半です。

 

個人的には前半のほうが後半よりもよかったという比較的珍しい部類の映画でした。前半のワンちゃんと二人三脚で暮らしている(ワンちゃん足4本ですが)様子がよかったです。

前半の終わりは本当に悲しすぎました。

この映画はゾンビ的なものが出てくるものの全然コメディーじゃなくどこか哀愁が漂っているような雰囲気なんですが犬と一緒に行動をともにして苦難を乗り越えていく様子、3年間浸食を共にしてきたという重みは私には伝わってきて、サムの最期は本当に身につまされる思いでした。

 

ウィルも感染させまいと一生懸命気を配っていたんですが、とうとう感染してしまい凶暴化が本格的になる前に抱きしめて殺すというのはつらすぎます。ウィルの悔し泣きを堪えるような表情が印象的でした。そして穴を掘って埋葬。

 

今まで人の相棒がこんなことになって仕方なく銃でパンッってやる映画は見たことありますが、相棒が3年連れ添ったワンちゃんがこんなことになる映画を見たのは初めてかもしれません。飼い主に従順で動物という無垢な存在だからこその悲しみがあります。動物大好き人間には辛いものがあります。

 

 

後半、生存者の母子が出てきてから血清の精製に成功し、ラストウィルがあんなことになるという展開は有耶無耶感がありちょっと雑にまとめたなという印象は拭いきれません。

 

この映画には16ブロック(ブルース・ウィリス主演)みたいに別エンディングがあるみたいでそちらだとウィルはあんなことにはならずに姿が変わってしまった感染者たちにも知性があり友情みたいなものがあって、ウィルが血清を作るために利用した彼らの仲間を彼らに返してまるくおさまる、というような感じで終わるらしいです。

 

そっちのほうは評判が芳しくなかったようで現在のエンディングに差し替えられたそうですけど、ネットの評判は別エンドのほうが好評っぽいです。

 

まぁ難しいですよね。それだと伏線回収や異種となってしまった者たちへの敬意のようなテーマが生まれますがグレーでパンチが足りないような気もしますし、雑でもなんでもいいからはっきり白黒つけるという点では現エンドのほうがスッキリするという感じもします。

 

私が見たのは吹替版の江原ウィルだったんですけど、劇中で歌を口ずさむシーンがちょっと微妙(大御所に失礼ですが)だったんで字幕版見たほうが良かったかなぁとも思っちゃいました。