映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】アリスのままで (2014)

2014年の映画。

若年性アルツハイマー病をテーマにした映画。

ジュリアン・ムーア主演。

 

主人公は大学教授です。大学での講義中にも話そうとしていることが「すっぽり抜け落ちるような物忘れ」を起こします。そのことを自覚し精神科を受診します。検査の結果、遺伝性(家族性)アルツハイマー病との診断を受けます。

それを打ち明けてからの家族内のやりとりがメインになります。

 

この映画のテーマは若くして物忘れが起きるという病気を描いていますが、全く同じテーマを扱っていた昔日テレでやっていたドラマを思い出しました。

Pure Soul~君が僕を忘れても~」というドラマで街の中で自分がどこにいるのかいきなりわからなくなるという描写がそのドラマでもありこのドラマでも大学構内の頭の中の見取り図が霧消しどこにいるかわからないという描写がありました。

 

作品の3分の2は日常生活に支障がない状態で進展していきます。

終盤は進行が進んでいき、家族の名前もわからなくなるくらいになり、少女帰りもします。

 

夫もやりきれないなーと思います。最初は一笑に付していましたがちゃんと病院に一緒に行ってくれましたし、その後も妻のことを気にかけいい夫です。しかし思ってもみない待遇で新病院に迎え入れられそのオファーを受けるかどうか葛藤に苦しみます。

 

結果的に妻よりも自分のキャリアを優先しますが娘に涙(悔し涙とか罪悪感からの涙でしょう)を流し嗚咽するくらい断腸の思いで決断します。

 

まだ正常な時に未来の自分に向けて自殺するようにムービーを残しますが、それは偶然の力で阻止されます。しかし1Fに置いてあるノートPCのムービーを見て2Fの薬があるところに行くまでに何度も忘れて結局PCごと持ち運んで薬を飲もうとします。しかし薬を飲むということを目標としていてその薬で自分が死ぬことになるというのは多分忘れてるんでしょう。

 

アルツハイマーといえば家族の介護が大変と聞きますが家に雇いの介護士さんを呼べるくらい経済的に裕福な家庭のため家族の地獄の介護生活の描写はあまり描かれておらず最後も綺麗めに終わります。

 

おそらくジュリアン・ムーアと同世代で愛する家族がいる人と若い人とでは受け取り方が当たり前ですが違うでしょう。同じ状況にある人が見ればまた違った見方になるでしょう。

こうなってしまうかもしれないと思う年齢の人はまだ楽しめるかもしれませんが、若い人が見てもお、おう・・・という感じになりそうです。

 

最後は夫はミネソタの新病院へ行き、一見自分優先で家族のことは後回しというような印象の次女がアリスと一緒に暮らし守っていくというラストになります。

 

淡々としていて全体的に綺麗に汚い部分は極力避けているような描写のため見た目的なショッキング度の低い控えめなアルツハイマー映画という印象です。