【映画感想】マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985)
1985年のスウェーデン映画です。
舞台は1950年代のスウェーデンだそうです。
この映画、大別すれば思春期モノになりますかね。
ちょうど第二次性徴期をもう少しで迎えるという頃合いの子供たち。男の子より女の子のほうが先に性に興味を覚え、遅い方の男の子が戸惑うという描写が多々あります。
「実験」であれをあれにつっこむような描写(未遂)や少女が乳首を晒したり映像的にもなかなか際どい描写も一部ありファミリーで見るには躊躇するかと。成人女性のヌード(芸術)もあります。
主人公はイングマルという少年です。
冒頭は兄と病気の母とシッカンという犬と暮らしています。
それから叔父に預けられ田舎暮らしをしてそこで友達や気のいい村人と交流を深めます。
ここまでが前半です。後半は母親の容態が悪くなり・・・という流れです。
自分の身にどんな辛いことが起ころうともライカ犬よりはましだと自分を慰める彼には運命の災難が降りかかります。
ライカ犬というのはかつてロシアの宇宙船スプートニク2号に乗せられた犬で死ぬことをわかってて乗せられた悲しい犬のことです。
終盤で預けた自分の飼い犬シッカンが勝手に殺処分されたことをライカ犬と重ね罪悪感を覚え涙するシーンが印象的でした。
シッカンが処分されたことは主人公だけが知らずに周囲の人達は隠していて聞かれてもはぐらかしていました。事を知っている女の子がボクシング中にわんわんうるさいイングマルにブチ切れてばらしちゃうんですが。
イマイチ咀嚼できなかったのは、いじめっこの兄の処理が雑なのと、母親の死についてぼやかしている点です。兄とはまぁ仲良くなかったんですが、別の親戚に預けられたということになりエンディングにも出てきません。母親についても兄ほどではないですがいつの間にかフェードアウトという印象でした。
中盤、終盤は村の人々とのやり取りがメインなのかなと思いました。その流れはエンディングまで続いていきます。
かゆいところに手が届かなさも感じられましたがいい映画でした。