映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】グラン・トリノ(2008)

2008年。

クリント・イーストウッド

 

私が今まで見た映画の中では幸せなひとりぼっち(2015)やヴィンセントが教えてくれたこと(2014)のような偏屈じじいがふとしたきっかけで隣人の子供とかと仲良くなっていく系です。こっちのほうが公開は先ですけど。

 

私は割とこういう系は好きだったのですっと入ってきました。2時間の尺でめまぐるしい展開とか場繋ぎのコメディもなくそもそも登場人物が少ないのに見終わった後の余韻がすごいです。きっと丹念に丁寧に人間ドラマを構築していったからこその余韻なんだと思います。

 

いつか絶対にギャングがやばいことやらかすというのは見ている途中も薄々わかっているのでこちらもビクビクした気持ちで見ています。それが中だるみ防止ストッパーの役目を果たす一つの要素かもしれません。そしてその時はきてしまう。

 

終盤もイーストウッドが単身でギャングのアジトに行くところまではもしかしたらという気もしましたがいざ着いてみると敵側はバリバリに武装していてましたし、そこまで構築されていったストーリーでドンパチはない?・・・と思ってから物語の結末に気づいてしまいました。その段階ではまだ予感の範疇でしたがその時点から私の心拍数は若干上がっていたかもしれません。そして予感は的中してしまう。

 

本編が終わり、グラントゥリノォ~というエンディングの歌が流れている最中も涙は出ませんでした。まだ現実(映画で現実というのもおかしいですが)を受け入れられてないためか衝撃で感情がストップしてしまったのかはわかりません。ただなんとも言えない余韻が胸にこだましました。それほど映画の世界に没入していたということかもしれません。

 

まだ気持ちが落ち着いていませんが素晴らしい映画だったんじゃないかと思います。