映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】パラサイト 半地下の家族(2019)

2019年。

同年のアカデミー作品賞受賞作として話題になった作品です。

 

スラム街に住む家族が金持ち家族に寄生(就職)していく展開の前半。

中盤で追い出した家政婦が家にやってきてから更にとんでもない事実が発覚し、諍いが勃発。

終盤では更に予想できない展開に。

最後はなんか知らないけど胸に残る感じがあります。

 

見た後よくわかりませんが放心状態に近い状態になりました。不思議な映画です。

邦画でいうと万引き家族(2018)に近い世界観ですがこちらはコミカルに描いています。昔の家政婦が地下室への扉の前にある棚をどけるために突っ張ってる姿はシュール過ぎ。

でもコミカルに描きつつもどこか背筋が凍るような鋭利さがこの映画に隠れているような気がしてどこか心をザワつかせながら見ている自分がいましたが最後にそれが表出するというストーリー展開になってしまいました。

 

テーマとして何が言いたいのかわかりそうだけど、でもやっぱなんかよくわからないな・・・紳士面してるけどその裏で差別してる、埋まらない格差?とかみたいな感じなんですけど、単純に1つの映画として面白く、虜にされた感もあります。ただよくわかりませんが気持ち悪さを感じます。見た目的にグロいとか汚いとかじゃなく。

 

親父が衝動的にあんな事をしたのはやっぱりクソなんですけど好き好んでこんな半地下暮らししてるんじゃないというのや半地下特有の臭いについて影で言われているのを聞いちゃったり、奥さん乗せて運転してる時に鼻をすんすんさせて窓開けられたり、夫婦が乳繰り合ってるソファーの近くのテーブルに隠れている時に感じていたであろう侮辱感、半地下コンプレックスのようなものが積もりに積もっていってあんなことになっていったのか?とか色々考えてみるもののなんかこれだとしっくりするものがありません。ああいう生活をしたことがないから想像できないというのもあるかもしれません。

 

伏線も細かく貼っていました。印象に残っているのはモールス信号でしょうか。オチにも使われている伏線ですが、金持ち息子のダソンが元家政婦の夫が送っていたモールス信号を解読して地下からのHELPの信号を理解していたにも関わらず何もしなかったのはゾッとしました。普通両親に言いますもんね。ハンターハンターでユピーがシュートにトドメを刺さずに虫けらを見るような目で見て興味なさそうに去っていった時に感じた気持ちに近いものを感じました。

 

面白いと同時に謎の胸糞感がありそこはかとない気持ち悪さを感じつつ最後にはなぜか余韻があるといういい意味で変で不思議な感覚になり見終わった後は放心気味だったので私にとってはガツンときた映画でした。