映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】恐怖のメロディ(1971)

1971年。

クリント・イーストウッドの監督デビュー作だそうです。

同主演。

 

イーストウッドがストーカー女に付きまとわれる話です。

 

イーストウッドラジオDJを演じていて彼のファンである女性と一夜を共にしたことからストーカー女の恐怖が始まります。

イーストウッドには恋人がいて、そっちが本命。

ストーカー女は単なる火遊びでした。

 

愛が歪みに歪んで彼を独り占めしようとする欲望が暴走して近づく女を攻撃するように。

夜遅くに押しかけてチャイム連打したり、勝手に合鍵作ったり、リスカで自殺未遂して病院に運ばれたり、仕事のミーティング中に押しかけてきて年配の女性に向かってババアとでも寝るだの売女だの喚き散らしたり、ただの家政婦を愛人だと勘違いして包丁で襲ったりします。

 

古い映画特有の生々しい演出が恐怖を駆り立てます。女が問題を起こす度に私の顔はドン引き状態でした。

 

その後ストーカー女は精神異常と診断されサナトリウム入り、つかの間の大自然エッチを楽しむものの、ストーカー女はすぐに出てきてしまいます。

 

 

尺余り埋めの都合なのか演出なのか知りませんが中盤恋人とデートで行った野外フェスの様子を音楽とともに流している時間がやや長く感じましたが、グラミー賞を取った有名な楽曲のライブ映像をそのまま採用したものだそうです。

 

終盤の展開はストーカー女が本命恋人を襲うという予期できるもので身辺警護の警察官で対策するもののあっさり侵入を許してしまい・・・という流れです。もうこの頃になるとストーカー女は見境なく殺人したりするレベルになってます。

 

最後は切り裂きジャックにようにイーストウッドを切り刻みますが、意外とあっさり撃破。

 

それにしても1971年にすでにこてこてのストーカー作品があったとは。時代の先を行ってますね。日本でストーカーのテレビドラマが流行ったのは1998年とかですし。

 

ストーカー役の女優さんがとても怖い。吹替版を見ましたが吹替の人のぎゃーぎゃー声も怖い。実際に芸能人とかもストーカー被害に遭っている人もいますしこんなに延々付きまとわれたら相当精神的に疲弊するでしょうし、ストーカー規制法という法律ができるのも頷けます。決して自分の身に降りかからないとも言えません。特に異性関係がルーズな人とか。

人間の変貌とか行為のエスカレートの怖さが伝わってくる一本でした。