映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ストーカー(2002)

2002年。

ロビン・ウィリアムズ主演。

 

スーパーの写真の現像を担当する部門の店員のお話。

とある家族がお気に入り。夫、妻、息子で表向きは絵に描いたような幸せな家族。

余分に現像して自宅の壁一面にその家族の写真を飾るというGTOのテッシーみたいなことをしています。

 

前半はこの店員のキモさが度々描写されますが中々いい感じに描写されていると思いました。前半は動的なことはせずに静的な範疇にとどまっています。とはいえ、随所に他人との距離のとり方いかれてる感が垣間見えてちょっと引いてしまいました。

 

物語が動くのは後半、不正がバレ、スーパーはクビ、絵に描いたような家族だと思って疑わなかったのにお父さんが隠れて浮気をしていたことが発覚してからプッツンして物語が動き始める・・・という感じです。

 

 

感想はキモくて切ない、です。

エピローグ的な部分(冒頭部に戻る)で彼の人格形成に至る部分が明らかにされ少し同情はしましたが、彼の妄想の中の写真が最後に出てきたときに切なさよりもキモさの方に軍配が上がりました。

夫、妻、子供、ストーカーのおっさんが写っている写真です。

普通、夫のポジションに俺はなる!みたいなのが常人だと思うんですけど、夫込みで自分もその一員になりたいなという発想が普通じゃなくて怖いです。

 

主演のロビンの演技もまたよくキモい人物を好演していました。2014年にお亡くなりになってしまいましたが、生きてもっと活躍してほしかったですね。惜しい人をなくしました。

 

ただ終盤の不倫先のホテルに忍び込んだあたりから主人公の行動に対して理解不能気味になってきてちょっとついていけず(感情移入が間に合わず?)置いてけぼりをくらいながら事が終わってしまったのが残念でした。それまでは比較的ゆっくり丁寧にキモい思考の人物を描写してついていけてただけに惜しいなと思いました。

 

過去に虐待を受け人格に支障をきたし、普通の人が思い描く幸せを享受できなかった人がこじらせた結果を描いているためか見終わった後は非常にどんよりとした気分になり、思わずため息をこぼしてしまいました。