映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】クラック: コカインをめぐる腐敗と陰謀(2021)

2021年。

クラックというコカインを題材にしたドキュメンタリー映画です。

 

クラックが広まって抗争で銃弾が飛び交い、人々は薬漬けになった街に住まう人々へのインタビューを中心に麻薬に関する陰謀、現地の人々の心の叫びなんかを描いています。

 

日本で普通に生活していると、まるで映画のような世界ですね。なので、薬漬けになって被害者ヅラしている女性とかを見ても自業自得だと正直思ってしまいます。そうなったのはあなたの選択の結果でしょ、自分にも責任あるとちゃうの?と思っちゃって、感情移入、想像するのが難しいです。その地域の人は生きていくためにそうせざるを得なかったのかもしれませんが。

 

終盤の麻薬撲滅運動がエスカレートして、黒人のクラック売人が集中的に狙われ、釣り合わない莫大な刑期でムショに入れるという部分には恐怖しました。昨今のいきすぎたネットバッシング(小山田圭吾小林賢太郎)を重ねてしまいます。確かにやりすぎ。麻薬蔓延は法に反する悪いことだけど。

歪んだ正義というのは簡単に広まってしまう怖さを感じました。

 

全体としては、麻薬やるとこうなる、だったり、売人狩りは行き過ぎというように前提として伝えたいたった一つのことがまずあって、その主張の説得力を増強するために展開していくという感じじゃなかったため、途中で「この映画は何が伝えたいんだろう?」と思ってしまいましたが、終わってみればこういう構成もありかなと思えました。

 

フェド・アップ(2014)は自分の体の健康という点で万人に興味あるテーマでしたが、こちらは麻薬という自分に興味のないテーマでした。

しかし、割と内容は面白く引き込む力は感じました。