1985年。
名前は聞いたことあるけど初めて見る作品です。
ノリはよく見るゾンビコメディのそれですが、こんな昔にすでに存在していたのが驚きです。
ゾンビは頭を潰しても動くし、何ならダッシュして襲ってきたりもします。
当時からしたらかなり斬新だったんじゃないかと思います。
ゾンビが無限湧きするサイクルにしても、どうやっても死なないゾンビを焼却炉で燃やした結果、大気中にゾンビ成分が舞い、それが雨に冷やされ地表に染み込み、土葬された死体を復活させるみたいなどこか天気を彷彿とさせるものがあります。
海の水が太陽熱で蒸発して雲になり上空で冷やされ雨が降り・・・みたいな。
印象に残ったのは自我が残っていたゾンビの人たちですね。
上半身だけのゾンビおばさんは、常に痛みに苦しんでいて、脳みそを食べた時にほんの僅かな時間その痛みが和らぐ、とか言っていて、何か見ていてかわいそうだなと思いました。
また、ゾンビになりながらも罪の意識に苛まれ妻に最期の言葉を言い自ら焼却炉に入って自害する人もいました。
救急車もっとよこしてよみたいに冷静に電話かけてたゾンビもいました。
また、徐々にゾンビになっていく過程を時間をかけて描いているのも新しかったです。
体温が18度になったとかいう下りです。
蒼白、死冷、死斑、死後硬直等の通常の死後変化を意識がある状態で体験しているという不思議なシーンを見たのは初めてかもしれません。
そしてラストのオチ。今ではまぁありっちゃありかもしれません。
でも結局無限湧きゾンビサイクルがある限り解決になっていない気もします。
最初は今でもよく見るお笑いB級ホラーかと思いましたけど、なにげに随所に工夫の跡が見られて思ってたより一筋縄じゃなかったなと感心しました。