映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ステップ(2020)

2020年。

山田孝之主演。

 

妻に先立たれた30代男性が主人公。

一人娘が2歳から中学校入学までの生活を描くヒューマンドラマです。

10年の間、主人公と娘の身の回りに起こる出来事を中心に描いています。

子育てをしている人、していた人、更にこの映画の主人公と同じような境遇の方には刺さるかもしれません。

 

義理の兄の人の声がやたら大きく、その嫁さんが必要以上に美人な点が何故か目に付きました。もっと無個性なほうが・・・と思いましたが、主人公が無個性なのでこれはこれでいいのかもしれません。

 

序盤の娘が保育園時代の保母さん役の伊藤沙莉は個性的な保育士をナチュラルに演じていて演技力の高さが評価されているのも頷けます。女王の教室時代からハスキーボイスで印象に残る演技をしていました。

 

見た目で気になったのは、広末涼子でしょうか。20年前ドラマによく出ていたので、久しぶりに見ると老けたなぁ~と思っちゃいました。

あと、劇中の山田孝之の老けゆく見た目なんですが、いきなり白髪が出て急に老けこんでしまった点が気になりました。割と前半に。でも心労とストレスの多い生活を送っていると急にくるのかもしれませんね。

 

娘さんは途中で演じている子供が代わったのが地味に気になりました。最初はキリッとした感じの娘だったのに途中から藤田ニコルみたいな顔の子供になっていました。子役の実年齢はわかりませんが、この二人がそんなに年齢差があるとは感じられませんでした。身長的にも。

後半の藤田ニコル似の娘は中学入学まで演じているのですが、小学校低学年の時だけ娘の顔が違うのは微妙に気になり、なら藤田ニコル似が最初から最後まで演じれば良かったのでは?と思っちゃいました。

 

全体的には主人公である父親と娘の関係性を10年間に起こる様々な事象により発生する変化を描いているので、守るべき者がある人と、そうでない人によって感情移入度は代わってくると思いますので、子育て世代の方にはオススメできます。

【映画感想】エンド・オブ・デイズ(1999)

1999年。

アーノルド・シュワルツェネッガー主演。

 

古の悪魔が現世に蘇り、人に乗り移ります。そして目的の一人の若い女性を探し、交わろうとします。そうすると人類が滅亡します。

これをなんとかしようと妻子を失い心に傷を抱えたシュワちゃん元刑事が頑張る。という感じです。

キアヌのコンスタンティンみたいな感じでしょうか、雰囲気は。

 

感想は改善の余地が少なくないと感じました。見応えというか何か物足りないな・・・というのが見終わったあとにありました。

 

シュワちゃんは悲しい過去の持ち主ですが、それが劇中であまり感じられなかったのも物足りなさの一つです。最後に申し訳程度に妻子の霊が出てきますが、正直妻子失った設定を忘れていました。

 

悪魔が人間に乗り移り、レストランで男性と食事中のセクシーなドレスを着た年増女性の胸に手を突っ込んでもみしだきながらキスをして、店を出たら爆破という掴みは結構衝撃的ですし、前半の流れはまぁまぁなんですけど、後半になってから何だか緊張感がなくなってきます。

 

主人公とラスボスとの力差は圧倒的でまるで歯が立たないのを現代武器(銃とか)で補い戦うんですが、ラスボスの舐めプ?でいつでも殺せるのにそれをせず逃げられたり、返り討ちにあってしまう・・・というのが正直冷めます。

 

電車アタックで爆破炎上のシーンはスピードみたいで割と良かったです。最後のシーンについてももっとなんとかならんかったのか・・・と。なんか地味だし後味もう~んという感じ。爽快感より悲壮感漂うエンドではぁ~と思わずため息が。

 

5段階で3くらいの微妙な評価ですね。

【映画感想】超高速!参勤交代 リターンズ(2016)

2016年。

佐々木蔵之介主演。

 

今作は参勤交代というより、全編を通してバトルという感じです。

前作のラスボスの陣内孝則と直接対決という感じです。

前作の襲いかかってくる刺客たちをバトルで跳ね除けるみたいなシーンがメインのためるろうに剣心みたいです。

 

ただ、全体的に予定調和感があります。というのも、佐々木蔵之介たちは三枚目を演じていてもめちゃくちゃ強いからです。あんなにチャンバラやっててほぼ無傷で勝利するもんですから緊迫感はありません。

 

ちょっと骨のありそうな敵キャラの渡辺裕之も強キャラの仲間・寺脇康文はあっさり勝利。

血なまぐさい剣撃(ぶった切ったり、突き刺したり)はあるものの血の表現はほぼない(血しぶきとかなし)なので血生臭くはないです。

 

ラストバトルも現実ではちょっと考えられないようなあっさり感。陣内孝則も打ち首獄門みたいなことにはならず、なんか逃げられた感があります。前作よりもう逃げられん感はありますが。

なので、緊迫感を求める人よりかは、家族みんなで見られるファミリー時代劇を求める派の人向けの作品なんじゃないかなと思われます。

 

見どころは渡辺裕之寺脇康文の入浴シーンですかね。渡辺裕之の鍛え抜かれた肉体美。

深田恭子のキャラは丸くなったまま普通で添え物という感じでめっちゃ普通になっていました。

 

参勤交代という個性が薄れ普通のバトル時代劇になっちゃったかなというのが全体的な印象です。

 

 

【映画感想】超高速!参勤交代(2014)

2014年。

佐々木蔵之介主演。

時代劇。

 

通常8日で行う参勤交代を5日で行う無茶振りを強いられ、頭を使ってそれを成し遂げようという感じのストーリーです。

 

主人公は田舎大名で、信頼できる家臣に恵まれています。そのメンバーで目的を果たそうとがんばります。

ショートカットしたり、大勢の集団に見せかけるために偽装したり、ふんどし姿の飛脚になりすまし、大名行列をスルーしたり・・・更に妨害工作により放たれた刺客を新メンバーの伊原剛志演じる強いやつと共闘したり・・・なんというかゲームのRPGっぽいです。

 

ただ、バトルパートが本格的というか、結構尺を割いています。まぁ結構かっこいいのでいいんですが、頭を使って最後まで成し遂げる系だと思ってたら、バトルと知恵が半々くらいで文句をあえて付ける見方をすれば中途半端感があり、知恵にもうちょっと振ってほしかったなぁというのが個人的な感想です。特にラストバトルの合戦でそう思いました。

 

ラスボスの陣内孝則は処分されましたが、牢獄に打ち込まれるということもなさげでちょっと失脚、みたいな感じだったので、スカッと感は思ったよりありません。

 

しかしながら、キャラの個性と演者さんは割と良かったので割と楽しめました。

【映画感想】Mr.ノーバディ (2021) 

2021年。

ボブ・オデンカーク主演。

 

冴えないおっさんが実は・・・という感じで最終的にドンパチする映画です。

 

感想は面白かったです。

ホームセンターの従業員が実はめちゃくちゃ強いデンゼル・ワシントン主演の映画イコライザーっぽい感じです。

 

まず、つかみが良いです。もう一体この主人公らしきおっさんが何者なのか検討もつきません。その中に何かワクワクさせてくれるような片鱗を感じます。この片鱗の正体はわかりませんでしたが、そう感じさせるのはうまいなぁと思いました。

 

それから最初のバスでの戦闘がいいですね。まだ実は普通に強いのか、切れたらやばいフォーリング・ダウンマイケル・ダグラスみたいなおっさんなのか、素性がよくわかっていない状態なので、バスを締め切ったときにワクワクしました。

 

この戦闘ではまだ眠れる獅子が半覚醒くらいの状態なので、全然無双じゃありません。でもよく見ると、戦闘の序盤はやられ度が高いですが、戦闘が進んでいくにつれてだんだん強さを取り戻して無双的になっていくのも細かいなぁと思いました。

 

そんなこんなで実はこの主人公は・・・というのがわかりかけてくるのが前半。

後半はまぁいつもの感じね、という印象。

 

なんですが、アクションや仕掛けのセンスが抜群なので大いに楽しめます。

 

全体的にオサレな曲をバックにスタイリッシュアクションを繰り広げるシーンが多く、これが心地よいですね。ドンパチアクション映画なのに癒やしすら感じます。一種のカタルシスというやつでしょうか。

 

強い爺さんが出てくるというのもいいですね。仲間の黒人キャラのアクションも良し。

 

最後全員弾切れして、さぁどうやってラスボスを倒す?ってなって、その方法がギャグ、コントみたいで思わず笑っちゃいました。こういう時ってだいたい「決めポーズ」みたいな感じになりそうなもんですが、あえてそこを外してきましたね。いいと思います。もう十分かっこいいことはわかってますんで。

そういうくすっ・・となる要素もちょいちょいあるんですよね。隠し味程度なんですが。

 

見ていて心地の良いアクション映画でした。

【映画感想】21ブリッジ(2019)

2019年。

チャドウィック・ボーズマン主演。

MCUブラックパンサーを演じていた人ですね。

 

王道の警察もの。硬派系。

日本の某映画ではレインボーブリッジでしたが、今作ではマンハッタン島を封鎖するというのが目玉のようです。タイトルの21ブリッジというのはマンハッタン島にかかる21の橋のことでこれを封鎖するというイベントが前半にあります。

 

ストーリーはメインミッションがまずあって、その背後にいる黒幕と最後に対決するという感じでシンプルです。おおよそのストーリー展開も黒幕も見ているうちにわかるくらいで隠す気すら感じられませんが、脚本自体は堅実でガタガタしてないので安心感はあります。

その安心感を作り出すアクション、演出、カメラワークのレベルの高さに感心。特にアクションが良く、主人公が黒人犯人を追いかけるシーンのカメラワークが印象に残りました。

ラスボスとの対決で見えない壁越しに互いに銃弾を連射して(貫通)、剣道の「胴」みたいな感じで決着をつけるシーンはちょっと新鮮でした。

 

最後は哀愁漂うハードボイルドチックな終わり方でかっこいいです。

 

チャドウィックさん良かったし、まだまだこれからという俳優さんなのでお亡くなりになったのはとても残念ですね。

 

【映画感想】007/ダイヤモンドは永遠に(1971)

1971年。

ショーン・コネリー主演最後の007だそうです(外伝除く)。

 

007はロジャー・ムーアティモシー・ダルトンピアース・ブロスナンの全作をながら見で見たことはありますが、ショーン・コネリーのは初めて見ました。

 

感想は、007って最初のコネリーの時からこんなノリなんだぁ~と思いました。

なんとなく、ムーア時代のおかしなノリをちょっと真面目にしましたみたいな印象を感じました。

ムーア時代の何作目かにヒロインがうっかりお尻で核爆弾のスイッチみたいなものを押してしまうみたいなギャグがありましたけど、今回のヒロインも最後にやらかしてました。

あとさほどエロシーンがありません。

 

あと、CGのない時代に片輪走行とかどうやって撮影したんでしょうねぇ。ムーアの何作目かのおかしな効果音とともに壊れた橋を車がローリングしながらジャンプするシーンの時のも思いましたけど。

 

コネリーが棺に入ってそのまま焼かれそうになるシーンはなんでああなったのかわかりませんでした。

最後のラスボスに関しても、最後はUFOキャッチャーみたいになってなんかギャグっぽい上に、最後のぐあああ!!みたいな断末魔もなく解決シーンにしれっと移行してしまったので、え?と思っちゃいました。

 

解決したと思いきや、殺し屋の残党が殺しにくるというパターンはムーア時代によくあった気がしますが、この頃からあったんですね。

あと中ボスのキャッツアイみたいな人たちもちょっと印象に残りました。

 

総合的に見ると尺が長いですね。しかしながら思いの外飽きません。

現代のエンターテイメントと比べると、古臭さや雑さ、未熟さ、適当さなんかを感じますが、「工夫」の跡が見て取れるのは面白いです。実写故の「これどうやって撮ったんだろう?」と考える楽しみもあります。実写の時点でリアルというのもあります。

 

まぁまぁでした。