映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】沈黙の断崖(1997)

1997年。

セガール主演。

 

今回は環境保護庁の調査官役。

同僚が原因不明の死を遂げ、その調査のためにとある田舎町に潜入捜査。その裏には不法投棄をしている悪徳大企業がいました。さてどう潰すか、そんな内容です。

 

登場人物が清々しいほどの悪党っぷりで見やすいです。

例えばヒロインポジのサラの兄。

妹をレイプ→親バレ→親殺す→俺がいなくなったらお前生きてけんぞと妹を脅迫→親殺しを妹がしたことにする(未成年だからすぐ出てこれる)というようなことをする外道っぷりです。

 

要所要所でセガールがチンピラをぶっ倒します。

まさに用意されたバトルステージというわざとらしい感じはありますが、上記のようなクズを鉄拳制裁していく姿は普通にスカッとします。

 

ラスボスである悪徳会社社長も上記の流れを汲み、セガールのボコられるのかと思いきや、裁判にかけられることとなります。

そこで罰金を受けますが儲けた金額からすれば微々たるものです。

 

ここで終わったらスカッとしません。

でもセガールは調査官をやめて(実際にはやめてないんだけど)お前らをぶっ潰すと宣言。

FBIと協力して社長の殺人関与なども含め証拠をこれでもかというほど集め逮捕状を作成。

 

そして敵のアジトのカジノへ。

ここでラスボスと対峙するわけですが、ラスボスは60歳のおじいちゃんなのでド派手なアクションとかはありません。取り巻きもおとなしめでガッツリバトルはありません。物足りなさを普通なら感じそうなものです。ですが、ラスボスとの舌戦はなかなか良かったです。舌戦と言っても終始セガール演じる大塚明夫がおちょくるという感じですが。

 

最後はラスボスが悪い往生際を見せ、最後っ屁で銃を放ちますがセガールには効かず、逆に反撃。最後にラスボスはクソ馬鹿野郎みたいなセリフを吐きますが、それを涼しげにスルーするセガールがかっこよかったです。

 

最後は無事にヒロインと結ばれるというきれいなEND。

終わってみればなかなか良かったですね。沈黙シリーズだったんですが。

【映画感想】ザ・インターネット(1995)

1995年。

サンドラ・ブロック主演。

 

プログラマーの女性が極悪ハッカー集団に付け狙われるという内容です。

 

この映画で怖いと思ったところは身分の証明ができなくなり主人公が八方塞がりになるところです。

主人公は自分の個人情報を証明する術を奪われ、他人のなりすましに遭います。

自分がこういう事になったらどうすればいいんだろうとゾッとしました。

 

ストーリーに関してはもう一捻り欲しいなと思うくらいあっさりと終わってしまいました。

あと登場人物も少ない印象です。最初に接触してきた男がそのままラスボスになります。そのラスボスの手下みたいなポジションも主人公になりすましていた女性なので、サイバーテロ”グループ”という感じはあまりしませんでした。

 

決着の仕方も消化器のような鈍器で二連打で下に落としてやっつけるという感じであっさり。

主人公がプログラマーということでサイバー対決みたいな感じを期待していましたが、蓋を開けてみればよくある女主人公が魔の手に追われ続けるというもので、設定の活かしきれなさもまた感じました。

【映画感想】リプリー(1999)

1999年。

マット・デイモン主演。

 

最初についた嘘が雪だるまのように大きくなっていくというストーリーです。

 

裕福じゃない家出身の若者が主人公。ひょんなことから大富豪と知り合いに。息子探しを依頼。連れ戻せば破格の賞金ゲットです。

 

金持ちの息子はクソ野郎です。でもそんな彼に次第に惹かれていく主人公。そう、彼は同性愛者だったのです。

 

金持ち息子は最初こそ主人公に対して好印象でしたが、やたらアピってくる主人公に嫌気がさしてきます。

主人公も主人公で金持ち息子に対して不満な点を多々心の奥にしまっています。

 

そして呉越同舟とばかりに二人きりのボートで互いが本音を打ち明け爆発します。

 

ここでちょっと考えさせらえましたね。やっぱり住む世界が同じじゃないと本当の友情は培われないんじゃないかと。

自分は何も支払わず、友達のお金にヒルのように吸い付いているようだと、そこに主従関係のような心理状態が形成されるし、絶対に覆ることにない事実なので喧嘩した時にそこを突かれるぐうの音もでなくなるからです。だから喧嘩はできません。では果たしてそんな関係は友達と言えるのでしょうか?そんなことを考えてしまいました。

 

取っ組み合いになっているうちに金持ち息子の顔から流血。それにブチギレた金持ち息子は主人公を殺そうとします。主人公もとっさに反撃し、過剰防衛で金持ち息子を殺してしまいます。

 

その後ホテルの受付に金持ち息子に見間違われた主人公がなりすましを決行します。

マット・デイモンジュード・ロウって似てるかな?という疑問が浮かびましたが、そういうことにしときました。

 

金持ち令嬢のケイト・ブランシェットがまた出てきてからは、三谷幸喜王様のレストランの宋支配人のエピソードのような、(脚本的に)ついた嘘を利用してどこに転ぶかわからないというようなテクニカルな感じになってきます。

 

ある人物には金持ち息子として振る舞い、またある人物には主人公リプリーとして振る舞うというレギュレーションになります。

そこでうまくかち合わないように(ばれないように)立ち回っていく脚本の処理がうまく、ここでこの物語は面白いなと確信しました。

 

いやいや、普通バレるっしょみたいな主人公補正がかかったご都合主義のストーリー展開と言えなくもないですが、見ている最中はいつバレる?終盤に刑事がやってきたシーン、グウィネス・パルトロウに詰め寄られたシーン、探偵がやってきたシーンででアウツかと思われましたが、そこを乗り越えていったのは逆に良かったです。

もうここまで来るともう最後までバレずに突き抜けてほしいとすら思ってきます。

 

そんでラストの船のシーン。

ここで絶対ケイト・ブランシェットが再登場すると思ってました。唯一(じゃないかもしれませんが)現時点で主人公を金持ち息子だと未だに思っている人です(この人のご両親もそう思ってますが)。

ここでバレてしまうのかと思いきや最後は・・・

予想しなかったなんとも切ない結末となり見た後にぐったりしました。

切なすぎるんだけど、冷静に考えてみたらクソ自己中な主人公で吐き気がします。

せっかくベストパートナーに巡り会えたのに。

でもそうしないとすべてが崩壊するからそうせざるを得なかったんですけどね。

 

主人公があの後死体をどうするのか?とか考えるとバレるのも時間の問題のような気がします。

ケイト・ブランシェットは生かしておくことができませんけど、その更に先にご両親がいるので殺すべき人物が多すぎるので、どっか別の土地でひっそり新しいパートナー探しでもするのかなと思いました。

 

また、金持ち息子が船での戦闘で勝利した場合、その後処理はどうするのかなぁ?というのも想像が働きます。

 

ちょっと主人公補正が効きすぎな気もしましたが、十二分に楽しめたので良かったです。後味悪いけど。

【映画感想】美女と野獣(2017)

2017年。

エマ・ワトソン主演の実写版。

 

アニメのほうは一回見たことがあります。

お手本のような脚本に見るものをワクワクさせる美麗なCG。

 

食事を作るシーンと一番の見せ所と思われるダンスシーンの出来は素晴らしく鳥肌が立ちそうになりました。

 

今見ると設定はドラクエ8っぽく、恋物語花より男子っぽく思えます。

呪いをかけられて城や城のスタッフの人達が異形の姿に変えられてしまうところがドラクエ8ですし、第一印象最悪な両者が最終的に結ばれるというのは花より男子っぽく見えます。

 

獣に変えられた王子が引きこもりになって周りのスタッフの助力を得て女の子と仲良くなるというのは電車男のようにも見えます。

 

面白いのはシュレックとの比較ですね。今更気づきましたが、シュレックって美女と野獣のアンチテーゼみたいなものがあり、これって逆シュレックじゃんって思いました。

シュレック美女と野獣を元にしてるんですね。多分。

 

何が言いたいのかというと、この美女と野獣という作品には後の各方面の作品に多大なる影響を与えるくらいワクワクドキドキする要素が詰め込まれている素晴らしい作品だということです。

 

イチャコラ恋愛映画には抵抗があるんですが、こちらはアレルギーを発症することもなく普通に感動しましたね。

 

呪いをかけられてティーカップとかの姿になっていた人がその姿のまま意思を失っていくシーンはすごく寂しかったですね。

その後元の姿になってハッピーエンドとなるわけですが、あの姿は失われてしまったものの人間の姿に戻って万々歳なんですが、個人的にはお前誰やねんとなって愛着がどっかに吹っ飛んでしまったので、手放しで喜べない哀愁のようなものがありました。

そこんとこの匙加減がうまいなとも思いました。

 

個人的にはアニメ版を一回しか見ていないくらい思い入れは特になかったため、映像美的な意味でこっちのほうが良かったかもしれません。

【映画感想】ケース39(2009)

2009年。

レネー・ゼルウィガー主演。

 

エスターっぽいホラー映画。

 

主人公は児童福祉課の担当者。

ちょっと普通じゃない両親に虐待疑惑があり、調査に乗り出す主人公。

両親は明らかに変です。

でも調査をのらりくらりと回避。

どうしても少女を救いたい主人公はやきもきします。

 

そんなおり、少女から電話があり、今にも両親に殺されそうだと言います。

急いで現場に急行する主人公。

 

今にもオーブンで焼き殺されそうになっている少女を友人の警察官とともに現場に突入し意外にも早く事態が解決します。

 

しかし、その事件解決はその後の地獄のような日々の始まりにすぎなかった・・・という感じの導入です。

 

 

悪魔のような少女を題材にしたホラー映画ということでエスターに似たようなものを感じます。

こちらの少女は割と直球で、エスターのように主人公の恋人を寝取ろうみたいな性的なことはせずにさっさと殺しにかかります。

 

ブラッドリー・クーパーが死ぬほど多いハエに襲われて死にゆく姿は印象的で心に残りました。

最後の展開はよくある感じです。

 

結局最後まで少女が一体何者だったのかは明かされません。

劇中では幻覚を見せるような能力の使い手だという描写はありましたが、主人公自体が最後はおぞましい悪霊のような姿を覗かさたりするものの、これです!というかっちりとした正体は明かされません。

 

またその幻覚能力にしても、物理的にドアが壊れたりしていた気がしますし、かっちり幻覚なのかどうかもよくわかりません。

ただ、落下したエレベーターが無事だったり、ゾンビに追われて回送のバスに避難するところでも運転手には何も見えていなかったので多分幻覚だったのかなぁとは思いますけど。

 

でもまぁ、要所要所で普通にびっくりできましたし、なんやかんやで悪くはなかったかなぁと思いました。

【映画感想】ファイナル・ゲーム(2014)

2014年。

 

飛行機事故で無人島に不時着したサッカー選手たち。

さてみんな生きて無人島から無事脱出できるのか・・・?

 

みたいな感じだと最初は思っていたのですが、心の弱い人たちが食料盗まれ事件等を経てだんだん精神をやられ邪悪になっていきます。

 

主人公の黒人は最後までまともな人間で、その邪悪になった人たちのリーダーと仲違いし、それぞれ別の島で生活をし出します。

 

ただ、邪悪側も全員邪悪というわけじゃなく、そもそもひとつしかない船をめぐる見解の相違でこうなりました。

どういうことかというと、その船を解体しないと食料が手に入らないというようなことになり、食料確保派と島脱出派に分かれてこうなったという感じです。

 

そして事件は起こります。

邪悪派の下っ端の男が、別に邪悪になってないけど自分の意思でそっちに行った女(邪悪派のリーダーの女)をレイプしようとします。

 

しかし反撃され、激昂。このクソアマ!と叩いたら動かなくなってしまいました。

そこに偵察しに来た正義側のおっちょこちょいのいじめれキャラの男と鉢合わせ、レイプしようとした男は自陣の気の弱い男(こいつも現場を見てた)にあいつが犯人だよなぁ~と威圧。

 

そのことは邪悪リーダーの知られることとなり、ここに戦争が開始されます。

邪悪側は正義側の島に渡り、キャンプを燃やします。

 

しかし、正義側リーダー・黒人主人公もそのことを予見し、対策。

見事に邪悪リーダーをも倒します。

しかし、邪悪リーダーはまだ生きていて・・・という流れです。

 

 

各レビューサイトを見るにおそらくクソ映画的な立ち位置かと想いますが、個人的にはそこそこ楽しめました。

精神がイカれた末に、バトルロワイヤルになり、最終的に仲間割れどころか戦争が勃発する展開に突入するのがイカれていていい感じです。

 

オチは正直予想通りでしたが、なにげに生き残った邪悪リーダーが島に置いてけぼりにされるってのは予想外でした。

 

けが人を切り捨てるとか切り捨てないとか(結局切り捨てる)、瀕死で苦しんでいる仲間をチョークで安楽死させたり、正義側っぽい主人公も最後ヘリがせっかく助けにきたのに邪悪リーダーのことを教えないで島に置き去りというように人間の汚いブラックな部分がちらほら見えてこういうとこ良かったです。

 

まぁでも暇つぶしの一本という感じでお金払って見るもんだとは思いませんでした。

【映画感想】キャラクター(2021)

2021年。

菅田将暉小栗旬

 

才能がない漫画家がひょんなことからリアルの殺人現場で犯人を目撃したことから始まる物語。

その経験をもとにした漫画を描いたら大当たり。一躍一流漫画家となり仕事場が億ションとなります。

 

その後菅田将暉が描く漫画を模倣した実際の事件が起き、警察が怪しみます。

警察で一番目立っているのは小栗旬です。もと暴走族で人と仲良くなるのがうまい刑事という役どころです。

小栗は漫画フリークで菅田の大ファンでもあります。

 

やがてリアルで菅田にリアル犯人(犯人も菅田ファン)が接触

次の物語のアイデアを提供。

漫画家とリアル犯罪者の共同作業が始まります。

 

しかし犯人が菅田と奥さんがいるところに押しかけたことで菅田の恐怖がピークに達し、小栗にゲロります。

 

さてどうなるか・・・という感じです。

 

 

感想としては結構面白かったです。

ちょっと犯人がチート入っててリアルならもっと簡単に捕まってんじゃないかと思いましたけど。

予想を裏切ってくるのが良いですね。

 

特に終盤はおそらく死なないで最後までいくだろうなと思っていた人物が死んだり、本当に襲われて血がビュービュー出たりと、予想の一線を軽々と踏み越えてくるのが良かったです。

 

奥さんが身ごもってるのが双子で最終的に襲われるんだろうなという予想を中盤で立てましたが、その後の展開でそうはならないか・・・と思いきや・・・というワンクッション入れてその線をなくしてから、またフラグが立つというのも良かったです。

 

最後は怖いですね。共犯者の落ち武者みたいな男はまだ捕まってませんし、あれから菅田と奥さんの待ち受けている現実を予想すると怖いです。

 

菅田は普通ですが、小栗と犯人の演技が良く、サイコホラーな雰囲気も序盤から漂っていて見やすくセンスある画作りだと思いました。

 

菅田が最後の選択がキチってるし、現実にはありえんだろ・・・この映画の警察めっちゃ無能集団だし・・・とか、本屋で犯人と遭遇した時に警察沙汰にしたほうが早かったのでは・・・というツッコミもありますが、全体的には面白く、映画の世界にもすっと誘導されましたので、割と高評価です。