映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010)

2010年。

ホラーコメディー。

 

全体的に漂う雰囲気は低予算のおバカコメディーホラーと言った感じですが、意外にも話の筋はきっちりしています。

 

大学生集団が主人公であるタッカーとデイルを連続殺人犯だと勘違いしたところから始まりますが、割といい導入だと思います。

 

その後は偶然パワーによる奇想天外な死が引き起こり、あまりに不自然なため、タッカー、デイル側が一風変わった集団自殺なんだと勘違いするところも滑稽でなかなか面白いです。

 

後半になると、意外なラスボスが登場し、デールが覚醒。容姿にコンプレックスのあるデール無双みたいな感じになり、最後は懇意になった愛しの彼女をものにし、幸せになるというハッピーエンドになっています。

 

とは言え、なんだかんだ言ってくだらない映画ですので、過剰な期待は禁物です。

【映画感想】AKIRA(1988)

1988年。

 

エヴァンゲリオンみたいな空想上の2020年くらいの東京を舞台にしたアニメ。

 

話には聞いたことがある作品でしたが、初めて見ました。

評判通りグラフィックがすごいです。めちゃくちゃ細かく描かれていて制作費すごいんだろうなぁというのが伝わってきます。同時期の宮崎アニメを見ているような感覚になりました。

 

テーマはよくわかりませんでしたが、テクノロジーの暴走ということでAIに親しいものを感じました。

 

女の子がレイプされそうになり胸をはだけたり、ベンチで背景のモブが彼女の乳もんでる描写が気になりました。

これさえなければ家族でみても家庭が凍りつくこともないのになぁとそんなことを考えました。

 

とにかく圧倒的な迫力ですごい規模。

グラフィックの有名所はジブリくらいしか知りませんでしたが、1988年と割と昔にも関わらずここまで絵で魅せる作品があったんだなぁとただただ感心するばかりです。

【映画感想】ユージュアル・サスペクツ(1995)

1995年。

ケビン・スペイシー主演。

 

5人の前科モンが逮捕され面通しをするところから始まるサスペンスです(真犯人だけ逮捕シーンがないそうです)。

 

正直理解度半分くらいで最後まで来てしまいました。

カイザーソゼの正体がキートンだというところまで来た時、え?そうだったので、でもそれだとなんか弱いな・・・と思ったので、最後の最後で真犯人の正体が判明したときも、だったら、あの人しかいないよなぁ・・・ということで正直あまり驚きはありませんでした。

 

この状態でこの映画とさよならするのはもったいないので、解説サイトを見たら、驚きの連続でした。

まさか、こんなに巧みな構成だったとはと、驚きました。

 

ちゃんとニセ犯人であるキートンが犯人であるというニセ犯人用の伏線も張られてたり、真犯人が、即興で作り話と本当の話を混ぜて、尋問相手の警察官を騙していたとか。確かに真犯人の表の顔との整合性は取れてるし・・・。

解説を見てソゼの悪魔のような頭の良さに恐怖しました。

 

でも私の頭の鈍さでは自力でそこに至れなかったのが残念です。まじ悪魔。

 

でも、多分大体の人が私のような感じだと思いますので、見終わった後に解説サイトを見てまた見たりできる一粒で二度美味しい作品なんじゃないかと思いました。

【映画感想】ジャンヌ・ダルク(1999)

1999年。

ミラ・ジョヴォヴィッチ主演。リュック・ベッソン監督。

 

15世紀、フランスとイギリスが戦争をしているときに突如として現れた若い女性兵士の物語です。

 

前に見たことがある気がしましたが、あるのは断片的な記憶でほとんど覚えてません。それこそフォロミーくらいです。

 

この映画を見てなんというか主人公が哀れに思えてきました。

宗教というものは人を救うものですが、この物語の主人公は宗教により逆に頭がいかれてしまっている、そんな気がしました。

 

冒頭に姉が死姦されるシーンがありますが、そこでぶっ壊れてしまった、そこで神にすがったものの、壮大な勘違いが始まり、なぜか戦で大活躍して祭り上げられる・・・でも最後は・・・みたいな感じでなんか妙に哀れに思ってしまいました。

 

最後は焼かれてしまったけど、神から許されたので本人的には満足だったのかなぁなんて思いました。

 

教会のお偉いさんもなんか神を利用して自分の権力や金のことしか頭になさそうだし、史実でも免罪符なるアホみたいなものが発行されていたことを考えると人間というものはこういう生き物なんだなとも思いました。

 

考えさせる系っぽい作りの映画ですが、それにはそれ相応の宗教的知識が必要なので、個人的にはいまいち消化不良感が強めでした。

【映画感想】浜の朝日の嘘つきどもと(2021)

2021年。

高畑充希主演。

 

福島のとある潰れかけの映画館を立て直す25歳くらいの女性が主人公。

 

なぜ立て直そうと思ったのかを劇中で描きつつ、進行させていくという流れになります。

 

普通に良い映画でした。

特に先生役の大久保さんが良かったですね。大久保さんは時々女優っぽいことをしていた記憶がありましたが、がっつり女優やっている姿を見るのは初めてでした。

 

違和感なく男運のない世話好きの女教師という役柄を好演していたと思います。

 

最後は全部まるっと解決するため、ハッピーな感じで終わります。

ただ、ちょっと強引かなぁとは思いましたが、この映画の肝の部分はそこにはないのでまぁ良いでしょう。

 

というかこの映画には真の意味で悪い人は登場しません。

映画館を取り壊そうとしている社長も、地元の人の雇用や憩いの場を提供するという理由で総合レジャー施設を建設しようとしていますし、主人公の疎遠だった父親も金の無心と娘を突っぱねますが、なんやかんやで娘のことを思っています。

 

刺激には乏しいものの、安心して見れる映画なんじゃないかと思いました。

【映画感想】ONODA 一万夜を越えて(2021)

2021年。

遠藤雄弥、津田寛治

戦争映画。

 

最後の日本兵と呼ばれた実在の人物の伝記映画です。

3時間となかなかの長丁場でしたが、飽きることなく楽しめました。

 

主人公が若い頃を遠藤雄弥、中年時代を津田寛治が演じています。

 

前半はよくある戦争映画の構図。

後半は戦争が終わったにも関わらずそれがわからず派遣された現地で一人ぼっち(仲間がいたけど最終的にひとりぼっちになってしまう)で敵から逃げ回ってます。銃を片手に。そして最後は日本から来た若者に救われるというストーリー。

 

淡々としてどんでん返しのようなものもありません。

ただただ、硬派といった感じです。

 

でも前半のよくある感じの部分も割と緊張感があります。主人公がリーダーということでプライベート・ライアンみたいな感じです。

 

後半、二人になってからのサバイバルパートはどこかシュールでそれまでと雰囲気が少し変わります。

長年、極限状態で暮らしているため精神的におかしくなっているから表情もどこか違和感があります。演じている役者さんナイス演技。

後半に長年苦楽をともにした唯一残った部下があっけなく殺されてしまうところは結構きつかったです。

 

演者では小野田の若い頃を演じた遠藤さん、津田さんともに良かったです。

上官役のイッセー尾形さんも。

 

敵を殺すときのナイフの刺し方が日常の延長線上のようになんの演出もない刺し方だったので逆に生々しかったです。ブスリという効果音もなし。

 

若い頃パートで海岸で最後の部下と語らうシーンが印象に残りました。

 

かっちりした真面目な映画です。

 

【映画感想】鳩の撃退法(2021)

2021年。

藤原竜也主演。

 

アウトローの手下みたいな感じの風体の小説家が主人公。

現実の出来事を小説の中に入れ込むということを日常的にやっていて、過去にそれでトラブルになったことも。

そしてまた今回もトラブルに巻き込まれ・・・みたいな流れです。

 

感想はなんか中途半端だなと。

構成トリックとして、今見ているこの映画は現実に起きていることなのか、それとも藤原竜也の頭の中の想像なのか?みたいな感じなのかなと思いましたが、蓋を開けてみると、現実に起きていることなんだなということが普通にわかります。それすら、覆るのかなと思いましたが、そういう終わり方でもありませんでした。

 

登場人物が多数出てきて、いろいろ繰り広げますが、個人的に説明不足感があり、情報の処理が物語の展開のスピードに追いつかず、理解できませんでした。

勉強とかで、なんとなくわかった気になる、感じに似ていると思います。

 

いろいろ複雑なので、3時間になってもいいからゆっくり丁寧に自然に情報を鑑賞側にわからせるような演出の工夫のようなものが欲しかったです。

 

原作はどうか知りませんが、映画はテクニックに走りすぎて、映画として大切な何かが抜け落ちてる、そんな感じがしました。

 

あと最初、伊坂幸太郎の小説が原作なのかなとも思いましたが、違いました。