【映画感想】ハイジ アルプスの物語 (2015)
ハイジの2015年の実写版。
まず最初に来るのは映像美。とにかく自然の風景が綺麗でそれだけでも癒やされます。
登場人物に関してはとにかく主人公のハイジが魅力的ですね。まるで天使のような笑顔です。演者の子役さんが宮崎あおい系で私個人としては子役時代の美山加恋を思い出しました。
おじいさんは最初なんじゃこのクソジジイと思いましたけどすぐにハイジ大好きおじいちゃんになっていて心変わりはや!と思いました。
フランクフルトの人たちも執事のセバスチャンや勉強を教える先生、医者の先生等割といい人が多めです。
躾けに厳しい猫アレルギーの先生が最後までいやな先生で終わってしまったのがやや残念です。尺の都合もあるんでしょうがないですね。
クララのおばあちゃんのキャラがいいですね。いまいち読み書きに真剣になれなかったハイジを焚きつけるのがうまいですし、ハイジのことをちゃんと思いやっていて人間的な余裕を感じさせます。クララのお父さんはそれに比べて少し未熟な面もありますが、彼がクララと一緒に居られないのは当たり前ですが彼なりに仕事を全うしているからなんですよね。可愛そうな思いをさせているからという理由で誰か手頃なお友達をあてがおうとする器量まであります。友達を道具として捉えている節が若干透けて見えますが何も手を打たない親よりも何かをしているでしょう。
原作は忘れましたが途中でクララがヒステリーを起こすシーンはクララってこんな一面あったっけ?と思いました(あったような記憶もうっすらあります)。絶対にハイジは離さないというような言動にホラーを感じました。クララも子供ですしやっと出来た友達を手放したくないというのはわかるんですけど。
あと関係ないですがハイジとクララを見ていてビジュアルのみですが思い出のマーニーを思い出しました(普通思い出のマーニーを見てハイジとクララを思い出すもんだと思いますけど)。
進行としてはかなりスピーディーで山行ったと思ったらすぐにフランクフルトに行きます。フランクフルトのシーンは物語全体からすると割と尺を取っていますがそれでもまたすぐに山に戻ってきたなぁという印象です。
2時間程度に収めないと行けないので仕方がないんですけど駆け足感は感じざるを得ませんでした。
フランクフルトから山に帰ってクララとホコリまみれの屋根裏で戯れるシーンも印象的。
「クララが立った」のシーンは原作ではうろ覚えですが、クララが正装で車椅子で座ったところから親父さんと再会するときに立つという演出だったと思いますが、今作では嫉妬のペーターがクララの車椅子をちょっと転がそうとするつもりが思ったより転がってしまい崖下に転落して結果的にぶっ壊してしまうということなのでペーターに対して姑息とか陰気な豚野郎という印象です。原作はもっと爽やかなやつだった気がしたんですけどこれもまた都合の良いように記憶が改変されてるのかもしれません。
子供の頃に見ていたハイジの実写化を初めてみました(2015年版)がやや駆け足なのがやや気になりましたが風景がとても綺麗でノスタルジックに浸れるいいムービーだったと思いました。