映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ドラゴンボール・エボリューション (2009)

2009年公開。

 

ドラゴンボールである必要がなさすぎる実写版ドラゴンボールだと思いました。

ピッコロ大魔王の弟子が大猿で・・・とプロローグでのナレーションを聞いた瞬間「あ、これ絶対外れだ」と思いました。

 

まず主人公がゴクウって顔じゃないです。マイケルって感じです。

人物の設定は原作とは全く違っています。世界観はご飯が高校生になった時くらいに近いと思います。ハイスクールに通う悟空(欧米人系の顔)、クラスメートのチチ(アジア系の顔)

チチはルーシー・リュー系の顔をしていて日本人の男性が好みそうな顔をしていないです。ナイスボディーですが。

孫悟飯(じいちゃん)は最初生きていてピッコロ大魔王がやってきて家の下敷きになって死んじゃいます。

出てくるのは亀仙人、ブルマ、ヤムチャあとピッコロと初期のテイストが強いです。

亀仙人チョウ・ユンファが演じていました。特に剃毛しているとかではなくいつものチョウユンファです。黒髪短髪の。

ヤムチャはアジア系の俳優で女としゃべると緊張するという最も初期の設定ではありませんでしたが、荒くれ者の盗賊という設定は踏襲しています。

 

ブルマは欧米系の顔立ちでブルマという名前に対してコンプレックスは特に抱いていないようでした。

カプセルコーポレーションの名前も出てきますが西の都は出てきません。

ポイポイカプセルにしてもボーン!というような煙から出てくるわけじゃなく、メカニックな行程を経てバイクになります。

チチは武道会のために練習しているという設定で第23回天下一武道会(原作でマジュニアが出場する大会)に近い設定かと思いました。

ちなみにチチの親父さんの牛魔王は出てきません。

 

ピッコロ大魔王が部下を生み出すシーンがありますが、口から卵を吐き出すんじゃなくて血液検査のように血を吸い出してその血から生み出すということになっています。しかし無個性で最後には悟空がドラゴンボールを取るために渡る溶岩の足場にされてしまいます。

ピッコロの隣りにいる胸元を無駄に開けたアジア人女性の秘書的な人がチチに化けたりとそれいるんかなぁ?といういらん(個人的に)オリジナルなエピソードの追加がうっとおしい。

 

かめはめ波がなんか万能な効能になっています。心肺蘇生やろうそくに火をともしたり、原作のように破壊に使ったりといろいろな使いみちがあります。

 

気になったところはいつの間にかあの亀マークの付いたダサい道着をいつの間にか着込んでいるところと、着替え終わったとともに大猿に変身。ああ、せっかく着替えたのに破れちゃうと思いきやベジータが着てる戦闘服のように伸縮性のある素材であることが判明したり。そもそも大猿に変身したけどそんなにデカくないし・・・。

そして理性を取り戻して元の姿に戻り、大猿のちからをコントロールした!となればもうこのままスーパーサイヤ人いっちゃいますか!と思いきやそのまま決めのかめはめ波に移行しちゃいました。

その最後の決めのかめはめ波も何故か撃ちながら敵方向に突進します。なんかへんてこに思えました。

 

最後の願いでじいちゃんを蘇らすんじゃなくて、出会って間もない亀仙人を生き返らせるのもえ?と思いました。じいちゃんとは何十年も一緒に暮らしたのに。大猿になった自分が首を絞めたからですからかね。というかそれが直接の死因かどうかもわかりませんが。

 

最後の女性が看病していたのがピッコロというのも予想つきましたけど、あんな緑っちぃ強面を献身的に看病しているのもちょっとよくわからないです。というかもうピッコロはお腹いっぱいです。原作で悟飯との交流を経ていいヤツになったピッコロの線もありますが。

この映画の公開から10年以上の時が経ちますが、続編はないですねぇ。納得しちゃいますけど。ベジータフリーザとの戦いも怖いもの見たさで見てみたい気もしますが予算がおりなさそう。アニメ映画のブロリーなんかはめっちゃ稼いでますけど。

 

ドラゴンボールの名前だけ借りて作ったB級アクション映画です。ドラゴンボールの原作ファンの人はリスペクトの感じられない今作に対してネガティブに思うんじゃないかと思います。

ネタ映画として見る分にはいいと思います。