2014年。
舞台は1960年代。
実話由来のゴーストペインターをテーマにした映画です。
売れない女性画家に目をつけたペテン師が口八丁手八丁で結婚して妻をゴーストペインターにして有名になってウハウハになります。しかし隠蔽と葛藤により妻は疲弊していき家庭内でいざこざが絶えなくなります。やがて夫の凶暴な本性が明るみに出て妻と娘はホノルルへ逃げ、そして裁判に・・・という流れです。
鑑賞中どうしても佐村河内さんと新垣さんが出てきます。だってまんまあの人たちの関係なんですもん。それにこの映画の公開もあの事件が明るみになったのも同じ2014年ですし。
しかし夫のマーケティング能力なしにはあんなに有名にならなかったというのも事実なんですよね。もうちょっと夫がうまく舵取りすれば・・・と思いましたが映画を見ているとどちらにしろ失敗する運命にある無理な計画ですよね。結局誰かを騙したり自分を騙すことは結局破滅に続くんだと思います。割り切れる人もいますが奥さんはそうじゃなかった。
怖かったのは夫がマッチを妻と娘に投げつけるシーンです。部屋の中に逃げても鍵穴から投げつけたりやたら陰湿です。
ビッグ・アイズの絵はホラーチックですが、まさかドメスティックホラー展開になるとは思いませんでした。
とはいえ、そのドメスティックなシーンは全体の比率で言えば少量です。
展開と言えば夫が前にも同じ手口で自分の女が描いた絵を自分のものとして発表していた前科があったのにはちょっと唸りました。
夫役の人の演技が面白く、特に最後の裁判パートでの小芝居というか茶番には苦笑してしまいました。
てか実際に二人に絵を描かせて見れば一発じゃんと誰もが思ったことでしょう。
個人的には構成が見やすくテンポもいい感じなので最後まで飽きずに楽しめました。