「映画感想」エイリアン3(1992)
1992年。
エイリアンシリーズ3作目。
デヴィッド・フィンチャー監督。
見たのは劇場公開版(通常版)ではなく長尺の完全版です。
冒頭から前作で助けた娘さんがお亡くなりになってしまいます。
舞台は異星の刑務所で主人公は相変わらずリプリー(シガニー・ウィーバー)です。
エイリアンは1匹ですが、原始的な武器しかなく銃すらありません。この状態でエイリアンをどうやっつけるかというのがみものです。
囚人たちは当初は結構いますがエイリアンにやられていきます。
クライマックスのエイリアン視点のカメラ演出は疾走感があっていいのですが、建物の俯瞰的な構造がわからずしかもその同じようなシーンの連続でそこはちょっとなぁと思いました。
また監視カメラが故障しているという設定が俯瞰的なアングルの欠如にもつながっているんじゃないかと思いました。
リプリーに関しては最初にエイリアンに襲われたときになぜかエイリアンが逃げていくという出来事が起こります。
これが後々リプリーの体内にクイーン(エイリアンのたまごを生む女王エイリアン)の幼虫が入り込んでいて襲ってくるエイリアンが同類だと感知して襲われなかったことがわかるんですが、ここで思ったのはじゃあリプリーは襲われる対象じゃないんで安全じゃんということです。
そのため緊迫感の欠如にもつながってしまってました。
囚人の面々も曲者揃いといったところですが、リプリーとはそこまでの関係性はないため所詮モブなのでいくら死んでも誰が死んでも緊迫感がなくそこも残念な点でした。
マトリックスのモーフィアスみたいな顔したボス的ポジションの黒メガネ黒人との約束とその反古の仕方もなんだかなぁという雑でやっつけ感のあるもので、感動というよりも無謀というか意味不明感のほうが強く正直個人的には滑ってると感じました。
というか合理的というか普通じゃない意味不明の行動を取る登場人物が少なくなくなんで?というのが鼻についてしょうがないです。閉めろと言ってるのに意味不明にすぐ閉めない人とか、せっかく閉じ込めたエイリアンを勝手に逃しちゃう人とか、なんでそんなことすんの?という登場人物の行動に対する意味不明感を感じつつもストーリーは強引に進んでいき置いてけぼりを喰わないようについていくわけですが、なんだかなぁとおもいつつついていってました。
相変わらずリプリーの会社は糞。
ラスト、リプリーはまさかのターミネーター2のラストのような舞台で自殺。まぁ体内に仕込まれてしまったのでしょうがないですが。ということでバッドエンド。
とは言えそれなりには楽しめました。尺が長いためか全体的にはゆっくり描かれているにも関わらず強い中だるみ感はなくついつい最後まで見させるような映画そのもののエネルギーや勢いはあります。それだけにクライマックスのイマイチなにが起きているか分かりづらい演出等が残念に思えてなりません。