映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ダークナイト(2008)

2008年のアクション映画。

 

ダークヒーローもの。

バットマン・ビギンズの続編ですが私はビギンズは見てません。

 

バットマンはよく知りませんでした。ジャスティス・リーグでちょっと見ただけです。ジャスティス・リーグでは他の超人たちに比べて生命体としての強さは一人だけ足を引っ張るレベルで弱いイメージがありましたがこの映画で戦う相手は生身の人間なので普通に強かったです。

 

そんな私ですがこの映画は最高でした。アクション映画としてかなり面白かったです。

 

キャラ、アクション、CG、演出、演技、ストーリーどれもレベルが高くて驚きました。

キャラはジョーカー、ハービー、ゴードンが特に良かったです。主人公はあんまりキャラとしては目立ってた印象は正直そのお三方に比べるとないなと思いました。

 

アクション、CGはハービーの乗った護送車をジョーカーの車が襲うシーンが良かったです。バットマンのあの戦車のような車がスクラップになった後にバイクで脱出して自爆させたりジョーカーに向かって直進するあたりのシーンはとてもワクワクしました。

 

ストーリーは2時間30分と長尺ですが中だるみを感じることは全くなくむしろ終盤に近づくにつれてバットマンとジョーカーの駆け引きが終わってしまう・・・というような名残惜しさを感じました。単発のアクション映画でこんなことを思ったのは初めてかもしれません。もっと見ていたい・・・と思って見てました。

 

ハービーの闇落ちはバットマンがとても気にかけていただけに残念でしたが、ストーリー的にはそっちのほうが面白いです。え?闇落ちしちゃったけどどうまとめるの?と気になりますし。

 

この映画を見る前によく目に入ってきた情報としてジョーカー演じるヒース・レジャーの怪演が素晴らしいというのがありました。ヒース・レジャーさんは28歳という若さでこの世を去ってしまいましたが、ぐぐってみるとジョーカーの役作りのために1ヶ月くらいホテルに閉じこもったそうですね。

 

ジョーカーといえば私は先にホアキン・フェニックスのジョーカーを見ていました。そうすると人間の心理としてどうしても両者を比べたくなります。実際ヤフー知恵袋とかでもそういう質問がありました。どっちがいいですか?と。

 

私個人としてはヒース・レジャーさんのほうがかっこよくてよかったですね。ジョーカーは口が避けているんですけど、そのためかしゃべるためにすすり音が出るのが印象的でした。

 

ジョーカーの手法で面白いのは二者択一を迫るところが一つあると思います。レイチェルとハービー、囚人の船と一般人の船どちらを救うか、爆発させるかというのがストーリーの中でありました。

 

前者の選択がストーリーの大きな山場で「転」となりますが、このシーン私は細かいセリフを忘れていて、正義マンのハービーをバットマンは選んだのかと思ってました。でもどうにも腑に落ちなくてググってみるとジョーカーは男と女の居場所を逆にバットマンに教えてたんですね。シーンを実際に見返してみるとバットマンはゴードンからどっちを助ける?と聞かれて思いっきりレイチェルだ、と即答してました。しかしバットマンが向かった先にいたのはハービーだった。ということはジョーカーは居場所を逆に教えていたということになります。

 

まぁここはどちらかを犠牲にしてもう一方を救うというシチュエーションではなく、ハービーの方にはゴードンが救助に向かいますし間に合わなかったのも結果論っぽかったですけどね。

 

船のシーンは人間のいいところが出ててよかったです。囚人のボス的な人が起爆スイッチを窓の外に放り投げたり、一般人のハゲのおっさんがどうしても押せなかったり。でも現実世界でこんなことが起こったら真っ先に押しちゃうんじゃないかとも思っちゃいましたけど。

 

ジョーカーは相手を自分と同じ暗黒面に落とそうとする悪魔の面を持っていて、主人公はそれに抗います。だからジョーカーをバイクで避けたりビルから落っこちたところをワイヤーで助けたりします。反面、ハービーは暗黒面に落ちてしまいます。

何度もジョーカーを殺せるチャンスがあった。けどそれをすると負けになる。現実世界では速攻で射殺されると思われますのでこういうところはフィクションの世界ならではと言えるかもしれません。

 

でも心とか生き方ってないがしろにはできませんよね。自分の心を捻じ曲げて不正や汚職をしたり犯罪等悪の道に手を染めるというのはその人の生き様や精神にも大きな影響を及ぼします。心や生き方って目に見えないからそれに自分の中の何かを覆い被せて見て見ぬ振りをしたり、不正なのに生だと自己暗示をかけたりしていくらでもごまかすことはできます。それに慣れて生きていく人、罪悪感を感じつつも生きていく人、それは人それぞれだと思いますが、そんな現実世界でおろそかにされがちな信念というものをありありと描いているこの作品を見てそんなことを思いました。

 

何かと巷で持て囃されている有名映画のダークナイトですが、前評判通りの名作で満足でした。