【映画感想】犬部!(2021)
2021年。
実在する大学の獣医学部のサークル「犬部」を題材にした作品。
実話ベース。
構成は、基本的には犬部として活動していたころから10年近く後の時間軸で進んでいき、折々、大学時代の回想を挟むという形になります。
主人公は、保護犬、保護猫の殺処分0を目指す獣医。
当時、獣医になるには動物実験で動物を殺さなくてはならなかったそうです。
そんな時代にも主人公は動物実験代替法という、何十例ものオペに立ち会いレポートを提出するという方法で獣医師になります。それくらい、殺したくないという思いが強い人物です。
ちなみに、そのオペシーンで主人公のモデルとなった獣医師さんが特別出演されていました。
ストーリー的には、多頭飼育で崩壊したペットショップがらみのエピソードの割合が多いです。
現在の柴崎(主人公の親友)が前半全く出てこず、なんでかなぁ?という疑問を持たせるのもうまい構成だと思いました。伏線は張られており、後半にその理由が明らかになります。
作風はのほほんペットものというよりかは、問題提起、メッセージ性の強いものとなっていました。
大学を卒業してからの理想と現実のギャップに苦しむ主人公たちが久しぶりに一同に介したことで、いい方向に動き出すというのもいいですね。
こういうことがきっかけで新しい何かが始まることってありますもんね。
演者では柴咲役の中川大志さんが精神崩壊するところの演技がなかなかよかったです。
思ったよりもずっしりきた犬映画でした。