1997年。
アルパチーノ、ジョニーデップ。
2大スター共演のマフィア映画。
パチーノはイマイチパッとしないマフィア幹部、デップはそのマフィア組織に潜入するFBI捜査官です。
バレたらアウトの状況下で緊迫感のある映画かと思いきや見ていくうちにそんな感じではありませんでした。もちろんそういう要素もあるにはあるんですけど。
まず1番強く印象に残ったのはパチーノ扮するレフティのどこか憎めない、ほっとけない感じですね。
船上でソニーブラック(親分的存在)に気に入られたジョニデ扮するドニーを見て儚げな表情を浮かべる彼を見てもしかして今作のヒロインはこいつのなの?と思っちゃいました。
無駄な殺生をしないように親分を止めたり(でもそのモブは撃たれる)していいヤツ風なイメージがその時まではあったからですかね。
でもその後、敵マフィアグループを殺害したりするところでは普通にブっ○してましたけど。まぁ敵ですからね。
ドニーは設定では6年くらいずっとレフティと二人三脚みたいな感じになっていたようですので、マフィアではあれ鬼畜ではない彼に情が移るというのもなんかわかる気がします。
同時に彼に対して騙している罪悪感も感じていたのではないかと思います。
さらに劇中での描写もありましたが彼がマフィアとして生きていくうちに自分が何者なのかわからなくなったりします。FBIでありマフィアでもあるわけですからね。
それに追い打ちをかけるような夫婦間の不仲。
しかしながらこの混乱については演出も尺は少なめで比較的簡素なためか表面上のものにうつりました。まぁこの部分をこってり描写しますと、本筋のレフティとドニーの悲しき友情?というメインテーマが薄くなってしまいますので、これはこれで良いと思いました。
クライマックスのFBIとバレそうになる車でのシーンからの逮捕劇は緊迫感がありましたが、レフティは信じてくれたんですよね。その前の必死に組織から抜けるように説得するドニーも良かった。これは友達の命を救いたいという一縷の望みをそこに感じました。
逮捕された時もレフティはソニーに良い弁護士つけっからな!っていいヤツっぷりを発揮していました。
それからいよいよネタバラシ。二人の捜査官がマフィアにドニーは実はFBI捜査官でした。証拠は押さえてあるよみたいなシーンの後にマフィア連中がドニーは裏切ってないと本気で思っているシーン。
そこを見て、え?もしかしてドニーはFBIの捜査官に化けていたマフィア?みたいなどんでん返し系の映画なのでは?と思いましたけど、彼らは単に完全にドニーのことを信用しているだけでした。レフティのみならずソニーブラックもめちゃくちゃ信じてました。
そしてレフティのラストシーン。
どうせこうなるならお前で良かった
とドニーに伝えてくれというレフティのセリフ。
いや~なんとも切ないですね。裏切っていたとわかっていてもこう言うレフティ。この後粛清されるんですよね・・・
最後に報酬と勲章を受け取った時のジョー(ドニー)の表情もなんとも言えないです。
あとこの映画を見ててずっと、逮捕→その後何事もなかったかのようにマフィア連中が娑婆にいるというパターンが少なくなく、え?って思って見てました。
満足いく作品で見て良かったです。