映画生活

基本的にネタバレ有りなのでご注意ください

【映画感想】ヴィンセントが教えてくれたこと(2014)

2014年。

 

初期のシュレックみたいな性格のオヤジ(ヴィンセント)が主人公。子なし。

アウトローじじいを絵に書いたような人物ですし、実際アウトローなことやってます。

 

そのじじいと新しく隣に越してきた隣人とのやり取りを描いています。

隣人は親子。母と子。離婚し親権を争っているという込み入った家庭です。

母はCT検査技師、あとあとこの設定が機能します。

 

隣人の子供はちっちゃい子でチビといじめられてます。

ヴィンセントと子供の交流がメインで、護身術、競馬場、バーなんかに連れ出し母親から怒られたり・・・

そんな感じで進んでいきます。

 

そんなヴィンセントにも隠された面があり、なんと妻が認知症で施設で入院。ぶっきらぼうなヴィンセントですが8年間妻のためにずっと洗濯し続けるという一途な面も。

その一方で夜の女と遊んでいたりもします。その女の妊娠、妻は亡ったりするところからが「転」になります。あと親権裁判ですか。同時進行でそれぞれ抱えている問題がじょじょに進行していきます。

そんな中ヴィンセントは脳卒中で倒れCT検査技師の隣人がちょっと活躍となります。それからリハビリパートなんかがあります。

 

一方子供の学校では聖人をテーマにしたスピーチコンテストみたいなものの準備にみんな追われています。

で、クライマックスは隣人の子供がヴィンセントを聖人としたスピーチのシーン。最後は仲良くみんなで食事してました。

こんな物語です。オチまで言っちゃいましたが。

 

 

感想は結構良かったです。よくよく考えると最後の聖人スピーチのくだりは強引な気も少ししましたが、王道ですよね。なんかこの流れかつての名作に多いかもしれません。セント・オブ・ウーマンとか・・他にもいくらでもありそうですが思い浮かびません。

 

”夜の女”役でナオミ・ワッツが出ていましたが最後の最後で「あれ?これもしかしてナオミ・ワッツ?」と今更な気づき方をしてその老けようにちょっとびっくりしてしまいました。

 

太っちょの隣人のキャラも好みでした。男の子はテンプレで百番煎じのキャラ設定ですけど等身大の演技には好感が持てます。

 

ヴィンセント役の人もクソジジイなんだけどそれだけじゃない何か(これを魅力というのかどうかは微妙ですが)を感じさせる演技をしていてこれまたよかった。

 

 

普通に万人受けする見て損な人はそんなにいやしないんじゃないかという印象の手堅い佳作という映画でした。

 

 

【映画感想】ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります(2014)

2014年。

舞台はNY。

 

主人公は結婚して40年くらいの老夫婦。モーガン・フリーマンダイアン・キートンが演じています。

 

家は気に入ってるんですけど、エレベーターがない物件のため年寄りにはキツイ。ということで家を売る決意をします。

 

個人的には微妙でした。

オチはタイトルから逆に想像がつきました。

結局売らないという・・・

正直、この老夫婦のために奔走した不動産屋の女性が気の毒と思いました。

 

この映画もまた見る人の世代によって印象は大きく違ってくるんじゃないかと思います。

比較的富裕な老夫婦の人が見るには興味もあることだし若い頃の回想シーンもあるので感情移入できるんじゃないかと思います。

 

モーガンフリーマンの役柄がちょっと印象に残りました。

老犬を100万払って手術するか、このまま安楽死させるかという議論になったときです。

ダイアン・キートンは100万払うといい、フリーマンは渋る。

でもいきなりかかってきた獣医からの電話でフリーマンが即決で手術やってくれ、いくらでも支払う、がんばってくれと言うシーンだったり、最後の若い黒人の容疑者を見て悟って今までの家売り活動をスパッとやめたり。

強引なんですけど妻からしたらケンカも多いけど頼りがいがあるという夫なんでしょうかね。

その強引さでこれまでの人生周囲に迷惑かけてきたんかなとも想像しました。

 

 

モーガンフリーマン、ダイアン・キートンという大御所二人のW主演ということで演技の安定性はパないです。

 

 

家を売りたいと思っている人、大切な何かを見失っている人、長年の夫婦等にオススメです。

 

【映画感想】恋空(2007)

2007年。

新垣結衣三浦春馬出演の恋愛映画。

 

・ケータイ落とす

・顔の見えない相手と声だけのやり取り

・初体験

・レイプ被害

・実行犯に教唆した犯人は彼氏の元カノ

・黒板に心無いこと書かれる

・妊娠

・堕胎

・彼氏が急に意味深にそっけなくなる

・かませ犬ポジションの新恋人

・彼氏若くして癌

・彼氏病死

後追い自殺未遂

ミスチルが流れる

 

こんな感じです。

昼ドラの高校生~大学バージョンみたい。

 

私は細かいことは気にしないようにフィルタリングして多少強引な映画でも楽しく見るタイプですが、この映画はちょっと脚本についてけませんでした。ちょっと普通じゃ考えられないレベルの人騒がせな出来事が立て続けに起こります。

こういうの女性には受けるんでしょうかね・・・

 

普通に考えて三浦春馬との出会いがなければ新垣結衣は幸せだったんじゃないかと思います。小出恵介いい人ですし。

 

三浦春馬の役が全ての元凶でこいつがいなければ主人公のレイプ被害、妊娠はないし家族にも不幸をもたらしました(もとから崩壊気味という設定ですが)。

主人公は不良少年に人生狂わされたという印象です。

 

女子中学生とかにオススメ!(多分)

 

【映画感想】女神の見えざる手(2016)

2016年。

 

特定の企業や団体の利益のために政治家に有利な政策を実行させる活動に従事する一人の敏腕ロビイストの女性を描いています。

 

銃賛成側と銃反対側の攻防が全編に渡って繰り広げられますが、命懸けの戦いを女性はしています。命懸けというか自分の今まで積み上げてきたキャリアを賭けてです。

 

最初は小難しい言葉の羅列が登場人物の口から矢継ぎ早に飛び出し、大丈夫か?と思いきや、ストーリーの面白さにぐいぐい引き込まれました。

 

 

一言言えば主人公は恐ろしい女です。あまりに見事な計画でショーというか一つのエンターテイメントになっています。利用できるものは倫理とか関係なく利用し、自分の触れられたくない私生活暴露もいとわない。結婚出産とかそういう普通の女性が経験するような事を全て犠牲にして挑む姿がカッコいいです。もう最強です。

 

 

クライマックスの丸顔のメガネっ娘がスパイだったことが判明し最後の大逆転につながるシーンは鳥肌が立ちました。毛穴が開いて体毛がゾワっとする感覚。矯正施設行きになりましたけど完全勝利。まさに肉を切らせて骨を断つ。しかし切られた肉は彼女のキャリアでもあったのでホントに命を賭けないと勝てない勝負だったんだと思います。

 

前哨戦で勝つも敵も切り札を出してきて逆転され、その切り札に対して逆転する切り札を切るという情報戦、心理戦はとても見応えがありラストの展開にはしびれました。マイナーな題材なのにここまで昇華したのは見事しか言いようがありません。

 

こんな映画あったんですね。

【映画感想】マイ・インターン(2015)

2015年。

ロバート・デ・ニーロアン・ハサウェイ出演。

 

70歳の男性がインターンとしてゾゾタウンみたいな会社に入社するという話です。

 

通販アパレルの社長役をアンハサウェイが演じています。なんとなくプラダを着た悪魔が頭をよぎりましたが、ロバート・デ・ニーロがアンにこき使われる話ではないと思いきやなんだかんだでこき使われてました。

 

プラダを着た悪魔ではメリル・ストリープにアンがハリーポッターの原稿を取ってこいとか無理難題を突きつけられますが、今作ではアンがむかついて母に送信してしまったメールを消去するためにロバートと若者みんなで家宅侵入作戦というかわいいことしたりします。

 

ロバートはドラえもんのような完璧超人に描かれていて基本的に順調なんだけど毎日フル稼働でいつ歯車がぶっ壊れてもおかしくない(特に社長のアン)状態な会社をロバートが癒やしていくみたいな感じです。

 

ロバートとアンの交流(会話)が見どころです。

ロバートのこういう老紳士な役柄の演技はあまり見たことがなかった(マフィアのイメージ)のでそこは新鮮でしたし好演していました。

アンも安定の演技。

 

老若男女にオススメの一本です。

 

 

 

【映画感想】スラムドッグ$ミリオネア(2008)

2008年。

インドが舞台の映画。

 

クイズミリオネアの番組の進行とともに主人公の過去の回想が進行していくという構成です。

 

地獄のような少年時代、二人で逞しく生きる兄弟の演技には力強さを感じました。それからヒロインが加わり3人になるかと思いきやその娘とはすぐに離別。二人は成長し偶然ヒロインに再会、そこで兄の手により引き裂かれ今度は兄、ヒロインと主人公という離別の仕方をし、時は経ちまた再会。今度こそ離別はしないと思いつつも運命がそれを許さず・・という波乱万丈の人生を描いています。

 

クイズの問題はその波乱万丈の人生の中で偶然目や耳にした出来事と合致していて学のない主人公が正解していき、最後の問題で3人が出会ったときの伏線が回収されるという秀逸なクライマックス。

 

とにかく画面からパッションと言うかパワーが伝わってくる力作。それ故に痛みすら伴うため見る側にもそのパワーを受け止める覚悟が必要です。実際に見ていて疲れました。

 

兄と弟、どちらも方向性は違いますが執念が凄まじい。それはあの地獄の少年時代からきたものなのだという納得もキャラクターにありました。

 

パワフルな映画です。

【映画感想】ヒア アフター(2010)

2010年

クリント・イーストウッド監督

マット・デイモン主演

 

降霊術とかのスピリチュアル系です。

 

主に3人の登場人物がいて、互いに接点はありませんが、最後の方で三人が接点を持つという流れ。

ドラクエ4みたいな感じです。

 

 

主人公は対象者に触れることでその人の身近な死者とつながることができ、声を聞くことができます。

臨死体験をしたときからそうなりました。そしてその能力を呪いのように思っています。

 

ヒロインの人はニュースキャスターでバリバリやっていましたが最近津波臨死体験をして以来その能力に目覚めます。そのことが遠因で仕事や恋人とかを失ってしまいます。

 

もうひとりは男の子で双子の兄を失い1年の間誰にも心を開くことができない状態。兄ともう一度話したいと願っています。

 

 

ラスト、主人公は男の子の願いを葛藤ありつつも聞き届け、男の子はやっと前に進み、同じ能力を分かち合うことができるヒロインと最後の最後で出会い、幸せを予感させるエンドとなっています。

 

 

それにしてもヒロインと出会うのがめっちゃ遅い映画でしたね。

スピリチュアルな感じでしたがゆったりな雰囲気に癒やされました。

個人的には結構いい映画でした。